「においも困るし、お肌も荒れるし……。汗なんてかきたくない」そう思う女性は多いと思います。
ですが、スポーツ選手を思い浮かべてください。私たちより多くの汗をかいて生活しているのに、ツヤツヤしたなめらかな肌をしていますよね。「運動をしていると新陳代謝がよくなり、すはだが綺麗になる」というのはもちろんですが、その美しさには汗のはたらきが関係しています。
今回は、汗の役割について考えていくとともに、なめらかなお肌につながる汗の秘密を探っていきましょう。
老廃物の排出もしてくれる、汗の大切な役割
一番大切な汗の役割は、体温の調節。もし汗をかかなかったら、人のからだは熱を逃がすことができず、気温が高くなると高熱が出ているような状態になってしまいます。そうすると、頭がぼーっとして日常生活が送りづらくなってしまう可能性があるのです。


からだ全体のはたらきをコントロールする脳は、細胞の代謝がとても活発。中でも、その細胞が一番はたらきやすいとされる体温が37℃と言われています。体温との温度差が激しい夏でも、できるだけ脳がはたらきやすい体温を保つのが汗の役割なのです。
また、汗には老廃物をからだの外に出すはたらきもあります。本来、汗腺は老廃物を出すための器官ではありません。しかし、汗には少なからず体内の老廃物が含まれる性質があり、環境汚染などの原因で食べ物に含まれている重金属は、尿よりも汗に含まれて排出されることが多いといいます。
よい汗とは、においのないサラサラの汗のこと
動き回った時に流す汗、熱帯夜の寝汗、トラブル時の冷や汗、脂汗と、汗にもさまざまな種類があります。では、お肌のうるおいも助ける「よい汗」とはいったいどのような汗をいうのでしょうか。
よい汗の3つの特徴
- 肌の上ですぐに乾く汗
- 体内の成分をできるだけ含まない、限りなく水に近い汗
- ここぞという時に、速やかかつ必要な量だけ出てきて体温調節し、汗腺に再吸収される汗
よい汗はサラサラした汗で、においがありません。サラサラの汗は肌がはじくので、蒸発しやすく、体温調節がすばやいのも特徴。さらに、皮膚表面の菌の繁殖を抑え、肌トラブルを防ぐはたらきもあります。よい汗とともに出てくる適度な皮脂は、乾燥肌を防ぐだけでなく乾燥肌をいたわる作用も期待できます。
悪い汗は、雑菌が繁殖しやすい成分が含まれているため、においがあります。ベタベタした汗のため蒸発しにくく、乾燥肌やかゆみなどの原因になります。また、悪い汗をかくと、体の中に蓄えてあった塩分やミネラルも排出されてしまい、疲れやすくなってしまうのです。
汗をかかない生活は、美容にとってはよくありません。お肌の美しさを求める方ほど、よい汗をかくことが大切なのです。
-
牧野絵美
音楽、芸術、書道と幼いころから“創る物”に没頭してきたインドア派。和の心をこよなく愛し、海外在住中も着物と書道具を肌身離さず持ち歩いた。 就職とともに仕事の楽しさに目覚めるも、サービス業の鬼になってやろうと上ばかり見て躓くこと数えきれず。縁あって小説を出版し、創ること、生み出すことに満たされる自分を再確認した。美しさと健康の原点は、生きたい自分を生きることと信じ、鋭意執筆中。
牧野絵美の記事一覧
-
-
もの
時代小説家で江戸料理・文化研究家の車浮代さんが愛す、手仕事の美しい和小物3選
2016.05.20
-
-
お役立ち
江戸時代から続く知恵に学ぶ!本当の美しさは「味噌養生」にアリ
2016.05.18
-
-
お役立ち
顔の皮膚より薄い頭皮をケア!健やかな頭皮が美髪を育てる理由
2016.04.22
-
-
場所
大人の女性の上質な旅にピッタリ。「今西家書院」と日本酒「春鹿」で古都・奈良を知る
2016.01.17
-
-
食べる
日本酒初心者の女性におすすめ!奈良の老舗酒蔵「春鹿 今西清兵衛商店」が選ぶ究極の3本
2016.01.11