女性を中心に関心の高まるヘッドスパは、今や空前の大ブーム。男性専用のヘッドスパも広がりつつあり、いまや女性のためだけの美容ではなくなりました。
そんなヘッドスパには、「炭酸スパ」や「シロダーラ(アーユルヴェーダ)」など、さまざまな手法があります。その中で特に人気なのが「クリームバス」。今回、そのクリームバスに漢方を取り入れた目黒のサロン「CASPA(キャスパ)」にご協力いただき、漢方由来のヘッドスパの魅力に迫りました。
まずは、「クリームバス」と「漢方」とはいったいどんなもなのか、簡単にご説明しましょう。
クリームバスとは?
「CASPA」のクリームバスは、マッサージクリームと漢方のオリジナルブレンド
クリームバスとは、インドネシアのバリ島に古くから伝わるヘッドスパの手法です。アボカドやヘナなど主に植物由来の成分でできたクリームで頭皮をマッサージし、毛穴につまった汚れを除去。髪や頭皮に、植物に含まれた栄養をそのまま与えます。
この手法は髪と頭皮をまんべんなくマッサージしていくため、パソコンや事務仕事で凝った頭皮をほぐすのに最適なんだそうですよ。凝りがほぐれると、髪質の改善だけでなく、フェイスラインがスッキリするなど、うれしいオプションが実感できるかも。
「CASPA」では、数種類の生薬をブレンドしたオリジナルのマッサージクリームを使用。カウンセリングで頭皮のチェックをくまなく行い、お客さん一人ひとりの皮脂の量に合わせてクリームと生薬の配分量を変えるそうです。
漢方とは?
漢方は、古代中国から伝わる薬です。数千年かけて淘汰され受け継がれてきた理論をもとに、薬草の根、葉、皮、果実、種などの「生薬(しょうやく)」がブレンドされたものを漢方と呼びます。
血行促進のセンブリ(左)、デトックス効果のなつめ(中央)、ホルモンバランスを整える蓮の実(右)
症状にピンポイントではたらく西洋薬と違い、漢方は自己治癒力にはたらきかけるもの。症状改善の即効性を求めるより、長い目で見て病気になりにくいからだをつくる未病目的に使われます。
ただし、漢方であっても薬は薬。少なからず副作用がありますので、病気を治すために飲む場合は、口にする前に漢方医や漢方薬局の薬剤師の指示をあおいでくださいね。
誰もが持っている“自己治癒力”でキレイになる漢方ヘッドスパ
漢方の一番優れているところは、化合物でないところ。そして、誰もが持つキレイになる力を高められることなのです。

例えば、化合物の抗炎症剤であるステロイドは、炎症のある皮膚に塗ると、症状がすぐに治ったように見えますが、もともとからだに備わっていた自己治癒力を弱めてしまう可能性があるのです。皮膚のかゆみ、赤みは抑えられても、ステロイドを使い続けることでキズが治りづらくなったと感じる人もいます。
それに比べ、漢方はからだの細胞そのものを活性化してくれる生薬。炎症のある皮膚に塗っても、すぐにかゆみや赤みは引きませんが、ゆっくりと「再発しない強いからだ」になるようはたらきかけてくれるんです。

つまり、そんな漢方の力を取り入れたヘッドスパは、ただマッサージするより頭皮の血行が促進されやすく、髪に栄養を送る力が強まりやすいということ。指どおりのいいツヤツヤ髪が手に入るのは、トリートメントの力だけではなく、からだが自分でキレイになろうとしているからだったんですね。
頭皮マッサージにより血行促進で心もからだもスッキリ
さらに、頭皮の血行が良くなると、他にもこんな効果も期待できます。
- お顔のリフトアップ、小顔効果
- 肌のキメが整う
- 肩こり、偏頭痛など体調不良の緩和
- 心のリフレッシュ
以前、私が漢方ヘッドスパに行ったときは、その後の化粧ノリがよくなって、ウキウキした気分で数日を過ごしました。アイブローやアイラインがキレイに引けるだけで、顔の印象は大きく変わります。見た目の美しさだけでなく、ヘッドスパは心のすこやかさにもつながっているようです。
また、「センブリ」のエキスは、アルコールと混ざると髪の育毛・養毛にもいいのだとか。抜け毛、細毛、薄毛などに悩んでいる方は、センブリエキス入りの育毛剤をぜひトライしてみてください。
頭皮の色で状態をチェックしよう
頭皮は、血行が滞っていると赤くなり、健康な状態だと青白くなっていくといいます。ふだんあまり見ることのない頭皮ですが、シャンプーのときなどに頭皮の色をチェックしてみましょう。
「赤い」「色がわからない」と思った方は、一度ヘッドスパサロンや皮膚科、美容クリニックで頭皮チェックを。実際に施術を受けなくても、プロのアドバイスを聞けば、自分に合ったセルフケアの方法が見つかるかもしれません。
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牧野絵美
音楽、芸術、書道と幼いころから“創る物”に没頭してきたインドア派。和の心をこよなく愛し、海外在住中も着物と書道具を肌身離さず持ち歩いた。 就職とともに仕事の楽しさに目覚めるも、サービス業の鬼になってやろうと上ばかり見て躓くこと数えきれず。縁あって小説を出版し、創ること、生み出すことに満たされる自分を再確認した。美しさと健康の原点は、生きたい自分を生きることと信じ、鋭意執筆中。
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