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場所

いのちを育む自然素材と暮らす「かぐれ表参道店」

2015.07.10

かぐれ, アパレル, ファッション, 暮らし, 表参道, 雑貨

東京都のJR山手線「原宿駅」を出て、まっすぐと伸びる表参道。世界中の最先端の流行が集まり、高級ブランドや名店が軒を連ねる、昼も夜もきらびやかなエリアです。
 
そんな華やかな表参道を曲がり、一本裏道へ入ると、表の賑やかさが嘘のよう。人通りも少なく、落ち着いた静かな雰囲気に一転します。その中に静かに佇む、たくさんの緑に囲まれたガラス張りのお店が「かぐれ」表参道店。
 
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店内は、太陽の光がふんだんに取り入れられ、生い茂る木々は、その暑さを和らげてくれます。
 
かぐれ(香具礼)とは、万葉集に登場する「寄り集まる」という意味の言葉。「かぐれ」の「自然と調和した心地よい暮らしの『原点』に出会い、集まって欲しい」 というコンセプトにも、この言葉の意味が強く反映されているように感じます。
 
「かぐれ」という場に集まる人とモノ、そして想いについて、現在「かぐれ」のチーフとして企画に携わっている岩井愛さんにお話を伺いました。

自然素材を使ったブランドの先駆け

—— 「かぐれ」は、自然のものとの調和にこだわりがあると伺っています。こうした思いは、どういった経緯から生まれたのでしょうか?
 
岩井愛(以下、岩井) 弊社と、栃木の益子にある「starnet」さんがご縁があり、当時「starnet」さんで働いていた渡辺敦子と、ライフスタイルを提案するお店をやりたいという話になりました。
 
そこで、渡辺が「かぐれ」のブランドプランナーとなり、小さなコンセプトショップとして、2008年にオルタナティブな暮らしを提案する「かぐれ表参道店」がオープンしました。
 
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岩井愛さん
 
—— 「かぐれ」を始められた当初は、自然由来の素材を使うことや、ブランドコンセプト自体、社会全体的にはまだそれほど認識されなかったのではないでしょうか。
 
岩井 そうですね。今では、どこでも気軽に「自然素材風」のものが手に入りますが、オープン当時は「オーガニックコットン」ひとつとっても、ご存知でない方がいらっしゃるほど、まだまだ珍しい存在でした。
 
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岩井 そのため、お客様は、こうした肌にやさしい自然素材のものを探していた方が多かったようで、とても喜んでくださって。当時、アトピーやアレルギーを持っていて肌が弱いと、選べる衣類が限定されてしまって、お洒落や流行として天然素材の服を身につけるには、まだまだ選択肢が少なかった時代でした。
 
—— 忙しない日々の中で、コンセプトにもある” オルタナティブ(代替可能)な暮らし ”を提案する「かぐれ」は、どういった役割を担っているのでしょうか。
 
岩井 アパレルブランドですから、販売しているのは洋服がメインではありますが、私たちの中では洋服はあくまでも、ひとつのカテゴリという認識です。
 
最近では「ライフスタイルショップ」という言葉も、よく耳にします。けれど本来、ライフスタイルの「ライフ」は、言い換えれば暮らしであり、いのちであり、生きること、だと思います。それに、こうした自然の循環に惹かれるのは、都会で生活している方々が多いと考えていて、都会的なグリーンファッションであること、ということも意識しています。
 
かぐれ表参道店
 
岩井 一着の服でも、自分たちの暮らしや自然、いのちにもつながっているもので、どのように作られ、出来上がった後は着る人にとってどんな影響があるのか。そういったところまで突き詰めて考えて、提案することを意識しています。
 
—— 「かぐれ」で開催しているイベントも、ブランドコンセプトをより明確に伝えるためのものなのでしょうか。
 
岩井 そうですね。近頃は、以前に比べて服が売れにくい時代と言われています。その理由のひとつとして、お客様自身の関心が、目に見えるものよりも内面や、より深いところへ向かっているのだと思うんです。そのため、イベント内容も染物のワークショップに始まり「寺子屋かぐれLife」という食や暮らしに関する講演会まで、様々です。
 
実際にイベントの告知をすると、あっという間に予約が埋まってしまうことも多いので、それだけ興味がある人が多い、ということです。もし少しでも興味があるものを見つけたら、ぜひお早めに申し込みしていただくのをおすすめします。

やさしく強い自然とともに生きていくのが「かぐれ」流

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── 「かぐれ」は、日本各地の手仕事によって生まれた雑貨や食品も扱っていますが、どういう経緯で「かぐれ」で扱うようになったのでしょうか?
 
岩井 スタッフがリサーチすることもありますが、出先で出会った作り手さんに惚れ込んで、作品を店舗に置かせていただきたいと作家さんにお願いして、置かせていただくこともあります。基本的にご縁ですね。
 
こうして、自分たちで考え、動く文化は「かぐれ」全体に浸透しているように感じます。
 
── それは何故ですか?
 
岩井 きっと、スタッフ一人一人が、ブランドを作っているという意識があるからかなと。スタッフの多くが女性ということもあり、仕事や「かぐれ」の考え方が自分自身の暮らしとより、つながっていると感じられるのかと思います。
 
—— 岩井さんご自身は「かぐれ」で働きながら、からだやこころの変化など感じられますか? 
 
岩井 以前とは全然違います! これはみんな言うのですが、私の場合は、人生観そのものがガラリと変わりましたね。
 
前職でネイリストをしていた頃に、化学物質を受けつけない体質になってしまいました。その頃は、食べることも外出することもままならず、不便なことが多かったんです。
 
かぐれ表参道店
 
岩井 けれど「かぐれ」で働き始めて、化粧品から洋服、食品など、自分に合う気持ちがいいものを見つけられるようになりました。きっと何かひとつでも、自分に合う天然素材が見つかれば、選ぶ目が養われて、自分にとってのこだわりが作られるのかなと思いますね。
 
—— 最後に、都会で暮らす方々にとって「かぐれ」は、どういう場所でありたいか教えてください。
 
岩井 私たちは「かぐれ」を通して、都会で生きる方々が、暮らしを見つめ直す場所やきっかけを提供していきたいと思っています。また、ものづくりを極めた作家さんたちの想いも伝えていきたい。自然は本来、やさしく強いものです。そうした素材の恩恵を受けて生まれた、服やうつわなどの手仕事の数々を、きちんと届けていきたいです。

お話をうかがった人

岩井 愛(いわい あい)
株式会社アーバンリサーチ かぐれ チーフ。大学卒業後、ネイリストとして勤務。自身の体調不良を経て、化学物質を用いないネイルケアを提唱するサロンに転職。その経験を生かし、現在「かぐれ」にてコスメティック部門の商品開発や販促、KAGURE holistic beautyシリーズの企画に携わっている。

このお店のこと

かぐれ表参道店
  • 住所:東京都渋谷区神宮前4-25-12 MICO神宮前
  • 電話番号:03-5414-5737
  • 最寄駅:東京メトロ千代田線「表参道駅」
  • 営業時間:11:30~20:00
  • 定休日:不定休
  • 公式サイト
 
中條美咲

中條美咲

昭和64年1月3日 長野県生まれ。 2014年 暮らしの中で出会ったものや人、そこから感じたことを文章で伝えていきたいと思い 「紡ぎ、継ぐ」というブログを始める。” 見えないものをみつめてみよう。” ということをテーマに、書くことを通じて多くの出会いに触れながら、感じる力を育てていきたい。 現在は「灯台もと暮らし」と「PARISmag」にてライターとして活動中。

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