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手作りこうじを宮崎県小林市から発信!カフェ&こうじ販売を行うrice shop「糀や」(こうじや)

2015.12. 8

rice shop 糀や, こうじ, ワークショップ, 味噌, 宮崎県, 小林市, 発酵

鹿児島県との県境に位置する宮崎県小林市に、ちょっと変わったお米屋さんがあります。
 
その名も「rice shop 糀や」さん(以下、糀や)。もともとお米屋さんだったお店を、2011年からこうじ販売とワークショップ、さらにはカフェとしてリニューアルし、オープンしました。
 
糀や
 
周りにこうじにまつわる専門家などがいないなか、手探りでオープンした「糀や」さんですが、いまや市内外からこうじを求めて集まるお客様が絶えません。

お米屋さん発の、究極の手作りこうじ屋さん

「糀や」さんは、お米の苗から作り、田植えや稲刈り、そして精米までを行うお米屋さん。ほかの農家さんから預かったお米を精米するなど、受託業も担っていました。
 
けれど、ただお米を作って卸すだけでなく、おいしいお米に新しい価値を見出したいという思いから、お米を加工してお客様へ届ける方法のひとつとして「こうじ」の生産を始めたと、「糀や」の杉元祐子さんは言います。
 
糀やカフェ
 
「初めは、こうじを作る知識も先生もゼロの状態でしたから、ぜんぶ自分たちで試行錯誤しながらこうじ作りを行いました。機械は一切使っていなくて、最初から最後まで、すべて手作り。だから価格もそこまで高くはありません」
 
グリーンスムージー
看板商品のグリーンスムージー(500円)。小松菜、バナナ、ほうれん草、リンゴ、甘酒が入っている
 
「糀や」さんでは、オリジナルの甘酒や塩こうじの販売をすると同時に、甘酒入のスムージーやからだに優しい食事を提供するカフェを併設しています。また、そのカフェでは毎週末みそ作りのワークショップも行い、発酵の世界を五感で楽しむことができるのです。

独学で見つけた味噌作りのコツ

お米屋さんとしての長年の知識とカンによって、手探りながら地道な努力を重ねた結果生まれた、こうじたち。
 
杉元さん
味噌作りをする杉元祐子さん
 
味噌作りのワークショップでは、毎週土曜日、2キロのお味噌を作ります。こだわりは塩を10%ギリギリしか入れないこと。通常、1キロの味噌を作るなら塩は15%、つまり150グラムほどが適量と言われています。
 
けれど、定説にそのまま従うのではなく、何度も自分たちで味噌を作る中で一番おいしいと感じた分量を、そのままワークショップでも採用しています。
 
「塩は発酵を止める力がありますから、多ければ多いほど発酵のスピードはゆっくりになります。味も好みがありますし、味噌は地域性がありますから、私たちの材料の割合が正解というわけではありません」(杉元さん)
 
味噌作り
こうじをほぐし、つぶした大豆と混ぜる
 
味噌団子
混ぜたものを保存容器に移しやすいように団子状に丸める。
 
他にも、こうじの粒を潰さない方が噛んだときの旨みがある、こうじをほぐして大豆をつぶして混ぜたら大豆の煮汁を入れると、つなぎの役割をしてくれる、などなど、ワークショップを通じて独学から発見した「糀や」オリジナルのコツを、知ることができます。
 
こうじの美容効果は、都心でも熱い注目を集めています。杉元さんのお母さんまは、顔のシミやシワが気になっていましたが、こうじを作り始めてから、すっかりツヤツヤな肌に変わりました。こうした実体験をもとに、こうじについて話を伺えることで、こうじの世界をより身近に感じることができそうです。

こうじは素材の味の引き立て役

販売、カフェ、そしてワークショップと多方面から、こうじの世界を発信する「糀や」さん。こうじの魅力は、素材の味を引き立ててくれるところだといいます。
 
「例えば、イチゴに練乳をかけたら、練乳の味がしますよね? こうじは、イチゴそのものをおいしくしてくれるんです。甘酒の味がするのではなく、一緒に食べるものの味を常に引き立ててくれる。何と合わせてもそうなるんです、不思議ですよね」
 
生甘酒
プレーンの「生甘酒」(1個200円)
 
「糀や」さんが目指すのは、「一家に一こうじがあるのが当たり前」な暮らし。今ではヨーグルトの種を持って自宅で発酵させる家庭も多くなってきていますが、こうじを育てている家庭はあまり聞きません。
 
けれど、ヨーグルトはあくまで寒い高山の地域で生まれた動物性の発酵食品。日本人にとっては、長年培ってきた植物性のこうじの方が、体質に合っているのでは、と杉元さんは言います。
 
「薬膳の先生に聞いた話でも、甘酒の整腸作用は日本人に合っていると学びました。各地域で生まれた食べ物は、その地で食べるのが一番自然だと気づいたんです。
 
一時、塩こうじブームもありましたし、今も発酵食品って注目されていますけど、一過性で終わるのではなく、こうじがある暮らしを普通にしたいと、ずーっと思っていて。
 
そのためにも、手作りでこうじを作り続けたいと思いますし、こうじのおもしろさや魅力を、小林市や宮崎県を超えて、発信していきたいですね」

糀や
 
もっと暮らしに、こうじを。そう願い、手作りに徹底的にこだわる「糀や」さん。あなたの食卓に、今日からこうじを取り入れてみませんか。

このお店のこと

rice shop 糀や
  • 住所:宮崎県小林市野尻町三ヶ野山1293-11
  • 電話番号:0984-44-3210
  • 営業時間:10:00~23:00
  • 定休日:無休
  • 公式サイトはこちら
★★★
 
★自分らしいスキンケアを求めて
★自然のチカラは健やかな肌とからだを守ってくれる
 
「大人すはだ」編集部

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