母親と娘の絆はいつの時代も深いもの。しかし、いつでも仲良しでいられるわけではないし、時には絆の深さゆえに苦しむこともあるでしょう。
母との関係に悩む大人の女性たちの姿を描いた漫画が、逢坂みえこさん作の『おかあさんとごいっしょ』(講談社)です。

『おかあさんとごいっしょ』には、3人の女性が登場します。
一人は、夫と、生まれたばかりの娘がいる主婦の今日子。結婚を機に気ままな生活に目覚め、親離れしようとしますが、しっかり者の母親の干渉を、どうにも拒むことができません。母の力を借りずやっていきたいけれど、そばにいてもらえると楽。そんなジレンマの中、今日子は母との距離感に悩みます。
二人目は、母と二人暮らしの40代のシングルウーマン・加代。加代の母親は、自分を捨てた夫を恨み、娘に執着し続けています。そんな母親の目を盗み、こっそり不倫を続ける加代。しかし突如、加代自身に変化が訪れます。それをきっかけに彼女は、未来を約束してくれない恋人、そして、娘の幸せを許さない母親という厳しい現実に向き合うことになるのです。
三人目は、一人息子がいるシングルマザーの梨奈。彼女の母は、梨奈の弟ばかりを溺愛しています。弟が、実はかなりのクセ者なのですが、母親は息子に盲目的な信頼を寄せるばかり。そんな困った家族たちを歯がゆく思いながらも、どうにも放っておくことができない梨奈の葛藤を描きます。

三者三様に母親との関係に苦悩する女性たちを描いたこの作品。それぞれの抱える問題は、表立って出てこないけれど、とてもリアル。けれど、深刻な雰囲気になることなく、漫画ならではの軽妙なタッチで母娘の物語が綴られています。
お母さんとの関係で悩んだことのある女性に、ぜひ手にとってほしいこの作品。
大好きだけど大嫌い、そばにいたいけど鬱陶しい、そんな複雑な思いを母親に抱く彼女たちに、きっと共感できるはずです。
この漫画のこと

出典:Amazonより
- 作品名:『おかあさんとごいっしょ』
- 作者:逢坂みえこ
- 全何巻:全2巻(講談社 BE LOVE KC)
- 出版社:講談社
- 連載年数:2014年~2015年
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田下愛
フリーランスライター 雑誌、書籍、Webメディアで、政治からサブカルチャーまで幅広いジャンルの仕事をこなして奮闘中。著書に「選挙はエンターテイメントだ!」(HK INTERNATIONAL VISION)がある。オーガニックコスメ・マニアで、石鹸で落ちるメイクとシンプルなスキンケアを実践中。趣味は、オーケストラでヴァイオリンを弾くこと。
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