朝ごはん、食べていますか?
今回ご紹介する漫画『いつかティファニーで朝食を』(マキヒロチ作 新潮社)は、朝ごはんを人生の糧にしている女性の物語です。
ファッション関係の仕事をしている麻里子。恋人と同棲中の彼女が朝を迎えるところから、物語は始まります。

目が覚めたのはお昼近く。散らかった部屋。そばには、洋服のまま寝てしまっている彼氏。
彼を起こして、二人でとった食事はコンビニで買ってきたおにぎりやパン。
「毎朝一緒にご飯を食べる」と約束して、一緒に暮らし始めたのに、気がつけば彼とはすれちがってばかり。
「自分の生活はこのままでいいの?」
麻里子の心に大きな疑問符が生まれます。
悩む麻里子は、以前から行ってみたかったお店に、親友3人と朝ごはんを食べに出かけますが、その朝食が麻里子の心を動かしました。
朝きちんと起きて、おいしいものを誰かと一緒に食べるのは、とてもうれしい。
朝ごはんのこのうえない幸せを実感した麻里子は、彼との別れを決意。そして、幸せな朝食を探し求める日々が始まったのです。
朝ごはんは心に元気をあたえてくれる
生きていくのは、大変なこと。傷ついたり、大切なものを失ったりして、悲しみに暮れる夜を誰もが過ごしたことがあるはずです。
お正月、実家に戻り、長年飼っていた愛犬の最期という、どうにもできない悲しみに直面した麻里子。愛犬を看取った夜が明けると、「淋しいって気づいたとき、おなか減ってたらふんばれない。だから、朝ごはんはうんと食べないと」(コミックス第2巻より)という母とともに、泣きながら朝食を食べます。
つらいことがあっても、朝になったら起きて、朝ごはんを食べる。
その朝食がおいしいもので、誰かと囲むものならば、きっとそれは心に元気をあたえてくれるでしょう。
朝ごはんのガイドブックとしても楽しめる作品

ここ数年、早い時間に開店して、朝ごはんを楽しめるお店が増えています。『いつかティファニーで朝食を』で麻里子が朝食を食べに出かけるのは、実在しているお店ばかり。
朝食がおいしい店のガイドブックとしても楽しめるこの作品を参考に、ぜひ、あなたも自分だけの幸せな朝ごはんを見つけてみませんか?
この作品のこと

出典:Amazon
作品名:「いつかティファニーで朝食を」
作者:マキヒロチ
全何巻:7巻まで(続巻)(新潮社 BUNCH COMICS))
出版社:新潮社
連載年数:2012年~連載中
公式サイト:マキヒロチウェブ
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田下愛
フリーランスライター 雑誌、書籍、Webメディアで、政治からサブカルチャーまで幅広いジャンルの仕事をこなして奮闘中。著書に「選挙はエンターテイメントだ!」(HK INTERNATIONAL VISION)がある。オーガニックコスメ・マニアで、石鹸で落ちるメイクとシンプルなスキンケアを実践中。趣味は、オーケストラでヴァイオリンを弾くこと。
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