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店内は堆肥でいっぱい!?吉祥寺の「Taihiban(タイヒバン)」で人生が変わるほど美味な野菜を

2015.09.18

Taihiban, レストラン, 吉祥寺, 堆肥, 東京, 無農薬, 野菜

東京のJR中央線吉祥寺駅から5分ほど歩くと、ガレージを改装して作られた、一風変わったレストランがあります。そのお店の名前は、「Taihiban (タイヒバン)」。タイヒ、とは堆肥のことで、牛糞などを分解して作る、農作物を育てるための肥料のことです。堆肥盤は、堆肥を作る施設のことを指します。
 
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聞きなれないこの名前に隠された、食へのこだわりと食べることの大切さを、探ってみました。

お店の中心に堆肥の山!

お店に入ってまず驚くのは、店内の中心にある堆肥の山。このお店のアイコンでもあります。そして、野菜やお米を育てるための、特別な肥料です。
 
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じつは、この堆肥、含まれている材料のイメージに反して、まったくクサくないのです。むしろ、近くに行くとふんわりと木の香りがします。なぜなら、牛たちが特別な乳酸菌を食べているから。善玉菌で腸内環境が整った牛のウンチは嫌な臭いを出しません。
 
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牛糞とオガ粉を混ぜて自然発酵させると、有機微生物いっぱいの堆肥になります。こうしてできた堆肥は、お米や野菜を作る土に混ぜられ、栄養たっぷりの食材が育てられるのです。

手を加えるのではなく手間をかけた料理を

お店がオープンしたのは2012年。Taihibanでは、岐阜県の飛騨地方の農家さんを中心に、堆肥を使っているところで育てられた野菜を仕入れています。
 
そのため、大人から子どもまで、同じ食材を使ったごはんを食べることができるのが特徴。特に子どもたちは、お子さまメニューをわざわざ作らずとも、栄養満点のごはんを楽しめるというわけです。

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森本桃世さん
 
「家では食べられないのに、ここだとピーマンも玉ねぎも食べられるというお子さんもいます。うちではドレッシングも手作りしていますが、それは素材の味を消すためではなくて、引き立てるための要素です。
 
基本的に料理をするときは、食材には手を加えず、手間をかけるようにしています。温度や時間の管理はもちろん、野菜の味をどう引き出すかということを一番に考えているんです」(森本さん)
 
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農家さんから届く野菜の中には、市場には出せない規格外のものもあります。けれど、森本さんにとっては、どんなに見た目がへんてこでも関係ありません。工夫次第で、いくらでもおいしく食べることができるからです。
 
たとえば、たくさん根がついたネギは、きれいに洗ってフリッターにしたり、筋のあるアスパラは筋を剥いて、かき揚げにしたりすることもあります。
 
「私たちがやりとりしている農家さんは、土を作ることが仕事、とよくおっしゃっています。野菜を育てるのは水や太陽など自然の役割で、ぼくらはその土壌を作ることが使命だ、と。だから、見た目がどうであれ、味は人生を変えるくらい、抜群に美味しいんです」
 
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自然を相手にする生業だから、毎日決まった素材が、決まった量届くわけではありません。ですが、だからこそ毎日届く野菜たちに、ありがたさを感じることができるし、農家さんたちへの感謝の気持ちが絶えないといいます。

農家、食べる人、地域をつなぐ

Tahibanが、ただのレストランではない点が、もうひとつあります。
 
それは、野菜を育てている農家さんを招いてイベントをおこなったり、料理の作り手と地域の人々や子どもたちをつなぐ勉強会や体験イベントを催しているところ。
 
たとえば、地域の保育園に通う子どもたちと、堆肥で育てた野菜の漬けもの作りのイベントが開かれたこともあります。
 
森本桃世
 
「昔、八百屋さんを営んでいた近所のおじいちゃんが先生となって、保育園に通う子どもたちに、たくあんの作り方を教えていました。おかげで、あの保育園の子どもたちは、たくあんを大好きになってくれました」(森本さん)
 
森本さんは、みずからを「みんなのおかあさん」と名乗ります。なぜなら、野菜の状態や食べるひとたちのからだや心のコンディションに合う方法で、素材の味を引き出すことに全力を注いでいるから。

オーダーされたものを正確に作って提供するような料理人やシェフではなく、人とのつながりや、食べものの持つバックボーンに、美味しさや「食べる」ことの喜びを見出す立場。そんな役割を、森本さんは「みんなのおかあさん」と表現するのです。

からだの内側からきれいになれるレストラン

野菜は自然の恵みですから、毎日決まった数、決まった種類の野菜が確実に手に入るわけではありません。さらに、もともと食材には「旬」があり、同じ野菜が一年中食べられるというのは、本来ありえません。
 
人間もそうですが、野菜もいろんな顔をしています。性格も違えば、育ってきた環境も違う。同じ堆肥で育ったとしても、天候や農家さんによって味や形は変わるといいます。
 
けれど、Taihibanでは、そうした自然のサイクルを、とても大切にしています。ですから、手に入らないなら、手に入った食材でどう調理するか、もし手に入ったとしたら、その食材をご馳走としてどういただくのか。
 
すべては「自然の恵み」という意識のもと、食材と向き合うのです。
 
「からだは、食べたものでしかつくられていません。つまり、食べもので、からだは変わりますし、変えられます。私は内側からキレイにしていくと、自然とそれは表面化すると思います。
 
だからまずは、食べてみてください。そうすれば分かります。野菜ってこんなに美味しかったんだって、価値観が変わるはずです」

このお店のこと

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Taihiban  タイヒバン
  • 住所:東京都武蔵野市吉祥寺本町2-22-3
  • 営業時間:ランチタイム11:30~14:30 、ディナータイム 17:00~23:00
  • 定休日:月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)
  • 最寄り駅:JR中央・総武線、東京メトロ東西線、京王井の頭線「吉祥寺」駅
  • アクセス:吉祥寺駅北口を出て左、井の頭通りを進んで徒歩約5分
  • 電話番号:0422-27-1392
  • 公式サイト
★★★
★食べものでからだは変えられる!
★季節の変わり目、お疲れ気味?
中村円香

中村円香

1992年、愛知県名古屋市生まれ。東京都在住。 野菜と果物をこよなく愛し、地域の伝統野菜に目がない。各国の菜食事情に興味があり、いつか世界菜食旅行をすることが夢。

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