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おいしいものが食べられる毎日に感謝。料理家・真藤舞衣子さん

2015.12.24

my-an, 山梨, 料理家, 真藤舞衣子, 移住,

山梨県の中央本線沿線の駅「山梨市駅」を降りると、徒歩3分くらいのところにあるカフェ「my-an」(マイアン)。店主は、日本各地で多くのファンを持つ、料理家の真藤舞衣子さんです。
 
myan1.JPG
 
書籍やラジオ、そして料理教室やイベント登壇などでも引っ張りだこの真藤さんですが、今回、忙しい合間を縫って、仕事に対する姿勢と自然体でいられる秘訣を教えていただきました。

おいしいものが食べたい。それだけで十分

── 最初に、なぜ料理家になったのかを教えてください。
 
真藤舞衣子(以下、真藤) 料理をやろうと思ったのは、もともとは食べることが大好きだったから。ゆくゆくは食に関わる仕事ができたらいいなと、漠然と考えていましたね。
 
── 大きなきっかけとなる出来事はありましたか?
 
真藤 ある日、友人の家で、5歳になる息子さんにご飯を作ってあげようと思って冷蔵庫を開けると、コンビニ弁当のような店屋物が積み重なっているのを見ました。私の母は、こういうものを決して私に食べさせなかったから、その冷蔵庫を見たとき、とてもショッキングでした。
 
悲しくなったけれど、同時に、手作りする食の大切さを伝えていきたいという思いが強くなりましたね。
 
my-an
 
── 京都の大徳寺塔頭(たっちゅう)(*1)で住み込みをされていたと伺いましたが、そのいきさつとお寺での経験で今の仕事に活きているところを教えてください。
 
真藤 ものの大切さや、野菜の食べ方、日々淡々と生きることを学びました。
 
前職はIT企業でしたが、料理の道を志すことに決めてから仕事を辞めて、縁があってお寺に住み込み生活を始めることになりました。毎朝4時半に起きて座禅をしてから掃除。10分くらいで朝食を食べてからは、掃除や畑作業をして過ごしました。毎日、休みもなく1年間、そんな風に暮らしたんです。
 
(*1)塔頭:寺院内にある、個別の部屋のことを指す。寺院を守る家族や僧が住む場所
 
── 逃げ出したいと思ったことはなかったのですか。
 
真藤 大変だなと思うことはありましたけれど、不便な生活に飛び込んだのは自分の選択だし、しょうがないなと思ってすっぱり割り切っていました。
 
── 食に対する価値観の変化はありましたか?
 
真藤 若いころから、食に対する考え方の変化はありません。シンプルに、まずいものは絶対に食べない。ジャンクフードを食べるくらいなら、自分で炊いたご飯に味噌をつけただけのものでいいから、そちらを食べたい。
 
myan4.JPG
 
真藤 単純に、人生であと何回食事ができるか分からないなら、おいしいものだけ食べたいって思いませんか? もし自分が、うっかりおいしくないものを食べてしまったら、くい改めますね。食べなおす、という意味です。
 
── 頭では、からだに良いものを食べたいと思っていても、どうしても、出来合いのものやその場しのぎの食事をしてしまう方もいるかと思います。
 
真藤 それは、意識の違いだと思います。どんなにからだに良いと思っているものでも、食べない人は一生食べないでしょう。例えば切羽詰ったり、病気になったりして、はじめて食の大切さに気づくことはあると思いますが、基本的には必要だと思ったことしか、人は実行しません
 
「おいしいものを食べたい」とか「痩せたい」とか、動機はなんでもいいですが、意識を持つことで食生活はいくらでも変えることができると思いますよ。
 
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庭先で採れたホーリーバジル
 
── 真藤さんの姿勢は、何事にも対してもとてもストイックで、かつシンプルに感じます。
 
真藤 そうですか? 元気にご飯が食べられて、空気を吸えて、布団の上で寝られて……日々、幸せですよ。毎日こうして暮らせることに、感謝しているだけです。
 
── 好きなことを仕事にするなかで、辛いと感じることはありますか。
 
真藤 辛いと感じることはありませんが、キツいなあと思うことはあります。体力的に厳しかったり、睡眠不足だったり。でも「キツい」と「辛い」は違う感覚ですし、料理の道から離れたいと思ったことはありません。

山梨の食材を使って、地元の食の豊かさを伝えたい

── 真藤さんの、今の暮らしについて教えてください。東京生まれ、東京育ちの真藤さんですが、ご結婚を機に山梨に移住されたんですよね。
 
真藤 そうです、夫がワインの醸造家で山梨出身でしたから、嫁ぐと同時に私も山梨へやって来ました。
 
── 山梨は、どういう町に感じられますか?
 
真藤 東京に比べたら、もちろん田舎ですが、自分次第でいくらでも楽しくできると思います。あとは、東京に時々仕事で出て行って、食事をするのが楽しみになりました。都内にいた頃は、外食をすることは珍しくありませんでしたが、山梨では家で食事をすることがほとんどですから、移住する前よりも東京での食事を楽しめるようになったと感じます。
 
今は山梨に生活の拠点を置いて、おいしい産地の食材を使って山梨の食の魅力を県内外の人に伝えていきたいと思っています。
 
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ある日のケータリング
 
── 移住して来てから、真藤さんの価値観や気持ちの変化はありましたか。
 
真藤 偏屈になったって言うのかな……妥協しなくなって、こだわりが強くなりました。夫はワインを作る職人で、二人とも食に関する仕事をしているが故に、ぶつかることもあります。でも、いてくれて本当にありがたいですし、夫には感謝していますよ。

華美なものは要らない。自分が納得できる暮らしを

── 最後に、ふだんのスキンケアや身だしなみに関して気をつけていることはあったら、教えてください。
 
真藤 髪の毛は湯シャン(*2)で洗っていて、染めていませんね。あと、朝起きたら必ず一つ結びにします。これは、いつの頃からか習慣になっています。料理をするから垂れてくると邪魔ということもあるけれど、結んでいないと、なんとなく気持ちが悪いんですよね。
 
(*2)湯シャン:お湯だけで髪を洗うこと
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真藤 美に関する意識も、食と同じでどれくらい自分ごととして考えられるかで違ってくると思います。私の場合は過剰なメイクやお洒落はせずに、無理せずできる範囲のことだけを毎日続けています。
 
── 真藤さんから見て、すてきだな、輝いているなと感じる人は誰ですか?
 
真藤 特定の誰か、というより、私は仕事を真面目にやる人が好きですね。素敵だなって感じる人の共通点は、ちゃんと仕事をしている人です。
 
私にとって仕事は、お金を稼ぐためにやるものではありません。だから、仕事とプライベートを分割して考える人よりも、どちらも重ね合わせて夢中で仕事をする人に、惹かれるのだと思います。
 
写真一部提供:Instagram(@maikodeluxe)、my-an公式サイトより

お話をうかがった人

真藤舞衣子さん
東京生まれ。幼少のころから食に興味があり、家に遊びにくるシェフなどに料理をふるまう。24才の時に1年間京都の大徳寺内塔頭にて畑作業、土方作業や茶道生活をしながら生活をする。その後フランスのリッツエスコフィエにてディプロマ取得。東京のペルティエで勤務後、赤坂でカフェ&サロン「my-an」をオープン。6年半営んだ後、百姓、ワイン醸造を行う夫との結婚を機に山梨に移住。
東京と山梨で料理教室を主催や店舗プロデュース、レシピ開発、今まで行っていた南部地方の手打ち麺「ひっつみ」を広める活動や食育の講座、子どもイベント、ワイン会なども行っている。現在、山梨の農業有機化への発展、食育、そしてそれぞれに関するプロジェクトを進めている。近著に「和えもの」「ボウル1つで作れるSCONE&CAKE」(主婦と生活社)、やまなし大使としての活動も精力的に行っている。公式サイトはこちら
★★★
 
★自分らしいスキンケアを求めて
★自然のチカラは健やかな肌とからだを守ってくれる
 
「大人すはだ」編集部

「大人すはだ」編集部

大人がすはだで暮らす時間を提案するウェブマガジン「大人すはだ」の編集部です。

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