みなさんは、頭皮が顔よりデリケートな肌だということを知っていますか?
じつは、頬のお肌の厚さが約1.53mmなのに対し、頭皮の平均的な薄さは1.47mm。頬より頭皮の方が薄く、ダメージを受けやすいのです。

その上、私たちは自分の頭皮を目視確認することができません。手で触れて確認するにも限界があり、知らない間に頭皮トラブルに見舞われているなんてことも。
頭皮は髪に栄養を送る大切な場所。健やかな頭皮から、ツヤとコシのある髪を育てましょう。
頭皮トラブルを防ぐ3つの関係
そもそも、フケや抜け毛、かゆみなどの頭皮トラブルはどうして起こるのでしょうか。
h&s髪と地肌LABO「地肌(頭皮)トラブルはどうして起こる?」によると、頭皮トラブルは「肌質」「常在菌(マラセチア菌)」「皮脂」の3つの関係がくずれると起こるといいます。
肌質
生まれ持った肌質。脂肪酸の刺激に強い人と、弱い人がいます。
皮脂
人間の体から自然と分泌されています。量が多いと常在菌を異常に活性化させてしまうことも。
常在菌
人間の皮膚の上には必ずいる善玉菌です。皮脂をエサとしています。大量に繁殖すると脂肪酸をたくさん吐き出し、頭皮を強く刺激。皮膚のターンオーバー(新陳代謝)を早め、頭皮トラブルの原因になります。
「ターンオーバーが早まる」と聞くと、なんとなくすはだに良いような気がしますが、本来28日周期で生まれ変わるはずの肌が、4~21日で生まれ変わってしまったら、どうでしょう。
早すぎるターンオーバーは、まだ成長しきっていない細胞が、大きなかたまりのまま剥がれ落ちること。つまり、フケのことなのです。無理に地肌から細胞が剥がされたような状態ですから、頭皮は外からの刺激に弱くなり、トラブルは連鎖し続けます。
「肌質」「常在菌」「皮脂」3つのバランスをとることが、頭皮トラブルを防ぐカギになるのです。
大切なのは「髪の毛を洗う」のではなく「頭皮をマッサージする」こと
英語「Shampoo(シャンプー)」の語源は、古代インドのサンスクリット語「champa=マッサージ」。語源からもわかるように、シャンプーは本来、「髪を洗う」のではなく、「地肌をケアする」ことなんです。

この「ケア」というのが、医学的に言うと「皮脂を適切な量に整え、常在菌の活動を抑え、ターンオーバーを正常にする」という意味。トラブル知らずの頭皮になるため、まずは次の2ステップを意識して髪を洗ってみてくださいね。
1.皮脂を適切な量にととのえる
かゆみや乾燥、フケ、べたつき、においといった地肌トラブルは、すべて常在菌が活発になりすぎていることが問題。でも、常在菌は洗い流しすぎると、悪玉菌に頭皮の勢力図をうばわれてしまいます。これが地肌トラブルを悪化させる原因に。
常在菌を減らすのではなく、常在菌の活動をゆるやかにするため、エサになる皮脂を洗い流しましょう。
2.毛穴の中に入り込んだ常在菌にアプローチ
ここでも大事なのは「常在菌を減らすこと」ではなく、「常在菌の働きを抑えること」。常在菌は地肌の表面だけでなく、毛穴の奥にもひそんでいることが最近の研究でわかってきました。
皮脂と常在菌に働きかける「地肌ケア用シャンプー」を使い、毛穴ポケットに入った常在菌まで有効成分を届かせるイメージでやさしくマッサージするのがベストです。
3. 頭皮のマッサージには「かっさ」を
マッサージは、自分の指や手のひらを使って行うのも良いですが、よりツボを刺激して血行を促進するには、「かっさ」マッサージが断然効果的。台湾の職人さんの、熟練の技で磨き上げられたかっさプレートは、頭皮のコリをほぐし、すこやかな頭皮と美髪を育ててくれるのです。

ただ髪の毛を洗えばいいというわけではありません。風になびく、健やかな髪は頭皮と頭皮マッサージ、そして常在菌を守るシャンプーを使うことが重要なのです。
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牧野絵美
音楽、芸術、書道と幼いころから“創る物”に没頭してきたインドア派。和の心をこよなく愛し、海外在住中も着物と書道具を肌身離さず持ち歩いた。 就職とともに仕事の楽しさに目覚めるも、サービス業の鬼になってやろうと上ばかり見て躓くこと数えきれず。縁あって小説を出版し、創ること、生み出すことに満たされる自分を再確認した。美しさと健康の原点は、生きたい自分を生きることと信じ、鋭意執筆中。
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