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手前味噌は手前こうじから!自宅で簡単にこうじを作れるワークショップへ行ってきた

2015.09.25

こうじ, ワークショップ, 日本食, 発酵

食への関心が高まる、昨今。そのなかで、静かなる発酵ブームが起きているのを、ご存知でしょうか。こうじを買って、甘酒や塩こうじを作っている方も多いのではないでしょうか。
 
じつはこのこうじ、おうちで簡単につくれちゃうのです! 
 
小倉ヒラクさん
発酵デザイナーの小倉ヒラクさん
 
発酵デザイナー・小倉ヒラクさん主催の「おうちでかんたんこうじづくり」のワークショップに行ってきました。 

こうじってそもそもなんだっけ? 

こうじとは、蒸したお米に種こうじをまいて発酵させたもの。 私たちはよく、中国から伝わった書き方で「麹」と書きますが、日本古来の書き方では「米」に「花」で「糀(こうじ)」と書きます。これはお米に花が咲いたように発酵し、白くふわふわとコウジカビが繁殖している様子を表しています。
 
こうじ
 
コウジカビは日本にしかいない、食べられるカビ。何百年も昔から、日本人の生活になくてはならないものを作っています。 たとえば味噌や醤油、甘酒や酢、みりん、日本酒や焼酎、泡盛など。発酵させた食品は、どれも通常より保存が効き、腸内環境を整えてくれます。
 
また、たんぱく質を分解してアミノ酸という旨み成分を作ったり、脂肪を分解してくれたりする酵素が多く含まれているのです。
 
発酵を化学反応でいうと、こんな感じ。 ヨーグルトは「乳酸」が醸されたものです。
 
乳酸
 
パンが発酵するようす
 
パンやお酒は、この真ん中部分が「エタノール」と「二酸化炭素」に入れ替わっていますね 。
 
お酢が発酵するようす
 
そしてお酢全般は「エタノール」が「酸化」して「酢酸」と「水」になったもの。 
 
小倉ヒラクさん
 
発酵は目に見えない食べものや菌の変化ですから、イメージしづらいのですが、とてもわかりやすい説明で進められていきます。学校でも、こんなふうにおもしろく教えてくれたら良いのになーと思うほど。 
 
そして大学で専門的に勉強するようなことを、かわいいイラストを使った20分ほどの解説でサクッと駆け抜け、いざ実技へ。
 
おうちでかんたんこうじづくり
 
ワークショップは教科書絵本『おうちでかんたんこうじづくり』に載っている手順に沿って進められます。 

こうじをつくってみよう!

せいろ
 
まずは浸水してよく水切りしたお米をセイロで蒸していきます。しっかりきっかり40分。 
 
こうじづくり
 
蒸し終わったら布に広げて45度くらいまでに冷まします。パラパラにして、一番表面積が広い状態にしてスタンバイ。 
 
そしてヒラクさんが種こうじをふりかけてくれるのを待ちます。 
 
温度計とこうじ
 
種こうじと、蒸し上がってほどよく冷めたお米を混ぜ、温度計を入れて布をぎゅっと縛り……
 
ペットボトルとこうじ
 
70度のお湯を入れたペットボトルと共に発泡スチロールにセット。
 
こうじが入った発泡スチロール
 
あとは温度を保って発酵させるだけ!  発泡スチロールにおまじないの絵を描いてもらい、2泊3日のこうじの旅へお見送りしました。
 
Taihibanのごはん
 
終わったら、イベント会場のレストラン「Taihiban」さんの美味しいランチ。配膳される前のプレートの向こうには堆肥が含まれた土の山が。堆肥の力をたっぷりもらった、栄養満点の新鮮な野菜とお肉を使った、美味しいランチが食べられます。
Taihibanのごはん
 
ベジタリアン仕様にも快く対応して下さいました。もし店舗でランチをする場合は事前にお伝えしておいたほうが良さそうです。
 
デザート
 
デザートは、こうじで作られた甘酒デザート。先ほど作ったこうじができあがったら、甘酒デザートにして楽しみたいなと妄想が膨らみます。

こうじのメカニズムが分かるこうじダンス 

こうじづくりは、思いのほか簡単でビックリ。先ほどの発泡スチロールのなかで、こうじがどんな風に発酵していくのかは、「こうじのうた」で分かります。
イベントの最後には、みんなでこうじダンス! 「こうじのうた」を聞きながら、大人も子どもも歌って踊って楽しく、こうじのことを勉強できました。 
 
自宅に持ち帰り、ペットのように可愛がりながら温度管理をして育てた、マイこうじ。イベント参加者の方の中には、会社へ持っていって愛でていた方々もいたようです。
 
自家製こうじ
 
我が家でも、こうじができました! 育てたこうじで仕込む甘酒の味は格別です。
こんな楽しく、しかも簡単にこうじが作れるなんて目からウロコ。子どもも楽しめるこうじ作り。来年の自由研究にいいかもしれません。
 
歌って踊って、ちょっとこうじと仲良くなれた気がした一日でした。
★★★
 
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Amika

Amika

シンガーソングライター、CM音楽の歌作詞作曲、ライター、パン・料理研究家。出産を機に子供と同じ卵乳にアレルギーがあるとわかり、日常から卵乳製品を使わない料理やマクロビオティックを実践。中医学(薬膳)も学ぶほぼベジタリアン。作詞作曲のかたわら、学び続けてきた自然酵母のパンと焼き菓子、妊娠出産授乳期や養生食、狭心症や糖尿病のための食事、菜食と肉食ごはんの両立、アレルギー対応食の講座を担当。

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