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【連載】からだを慈しむ、薬草の旅Vol.12|春の朝には、からだが目覚める高麗人参ミルクティを
2016.03.18
ようやく暖かな日差しの日もふりそそぐようになりました。我が家のお庭やご近所では梅はもちろん、沈丁花も咲いて、待ちに待った春の到来を五感で感じます。
出会いと別れの春は、心もざわざわと落ち着かず、しかも季節の変わり目ですから体調を崩しがち。
けれど、春は様々な植物が芽吹くように、からだが目覚める季節。冬の寒さでぎゅっと緊張していたからだを起こすには、山菜などの苦みが一番です。菜の花にウドにニゴミ……寒い中、がんばって立ち上がった山の恵みをぱくっと食べると、少しずつ私たちのからだも目覚め、ほぐれていきます。
そんな中、おすすめしたい薬膳食材が、高麗人参です。
目が覚める中国古来の薬草「高麗人参」

高麗人参は、その多くが中国からの輸入品ですが、実は国産で作っている町があるのをご存知でしょうか? 今はすっかり小規模になってしまっていますが、5年もの歳月と手間ひまをかけて会津や長野、松江で育てられています。
高麗人参(会津ではオタネニンジンと呼ばれています)は、甘味と苦みを兼ね備え、エネルギーをチャージしてくれます。食べるとカフェインのような効果があり、元気が出ない時や疲れた時などに食べると、目がパチッと覚めて、頭の方へ暖かい気が巡ります。
乾燥した高麗人参の根は参鶏湯などに使われますが、パウダータイプならそのままでも使えるので、いろんなお料理に混ぜることもでき、便利です。今回は、やる気がどうしても起きない時に、私もよく飲んでいる高麗人参ミルクティのレシピをご紹介しますね。

材料(2杯分)
- 紅茶や番茶の茶葉:ティースプーン山盛2~3杯
- お水:カップ1杯分
- 牛乳か豆乳:カップ1杯分
- 高麗人参パウダー:2g(固形しか手に入らない場合は、同量を茶葉と同じタイミングで入れて、一緒に煮出します)
- お好みで蜂蜜、砂糖など:適量
作り方
- 小鍋に茶葉とお水を入れて中火にかける
- 沸騰したら弱火にして、3~5分濃いめにお茶を抽出する

3. 牛乳(もしくは豆乳)を加えて、もう一度温まったら茶葉を取り出し、高麗人参パウダーを加えて混ぜる。お好みでハチミツなどを加えても◎

1日の高麗人参の摂取量は、1~3gくらいから始めるのが良いでしょう。暑がりさんは、ちょっと気がのぼせてしまうかもしれませんので少量で。
飲んですぐに、からだが起きるのを体感していただけると思います。
高麗人参は、ネットもしくは一部の漢方薬局などで購入することができます。中華街がお近くにあれば、その食材店でも見つけることができます。
ぜひ、春の目覚めに高麗人参で、活動モードに切り替えてみてくださいね。意外とそんなにクセが無くて、美味しいですよ。
★★★
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新田理恵
食卓研究家。管理栄養士であり、国際中医薬膳調理師。東洋と西洋、現代と伝統の両面から食を提案する。国産の生薬や薬膳茶が手に入らなかったことから、日本のローカルをめぐり、伝統健康茶ブランド{tabel}(タベル)を立ち上げる。
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