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【連載】すこやかな髪に必要なのは、引き算と自分のチカラ|すこやかに生きるということ⑩

2016.06. 3

つげ櫛, , 湯シャン, 頭皮, 養生,

春の訪れとともに、今年も長野県安曇野市にある『穂高養生園』に戻ってきました。これからまた11月の閉園まで、私は北アルプスの麓で過ごします。
 
 
 
まばゆい新緑とおだやかな風、気持ちの良い陽気の中ゆっくり散歩したくなるこの季節。そんな活動的な気持ちとは裏腹に、春特有の強い風や花粉にあたると、目のかゆみ、くしゃみ、鼻水などの症状とともに、肌や髪の乾燥も感じます。新年度ということもあって、暮らしがあわただしくなりがちで、知らず知らずのうちに疲れやストレスをためこんでしまうのも、この季節にはよくあること。
 
ここ数年の私はどうしても心とからだが揺らぎやすくて、うららかな春を満喫できないジレンマを抱えていました。けれど、中医学における季節ごとの養生を学ぶことで、それらは次第にやわらいでいったのです。

人も自然の一部と考える「養生法」

中医学では、人も自然の一部だと考えているため、人の心とからだは常に季節や天気の影響を受けるものとされています。このような自然からの影響にうまく対応し、すこやかに過ごすための昔からの知恵が養生法です。
 
春は植物が芽吹き、動物が冬眠から覚めて、すべての生き物が活発になる季節。人のからだも新陳代謝が活性化して、冬の間に溜まった老廃物が外に出やすくなります。また、心も陽気になり、ソワソワと落ち着かなくなってきます。それらの影響を受けすぎると、からだの不調が出てきたり、ストレスを感じやすくなったりするようです。
 
さくら
 
こういったことを知ると、それまで不快に感じていた心やからだの乱れも、春には起こりがちのことで、私自身が自然の一部として在るために必要なステップなのだと受け止めることができます。そして最近は、春に出てくる症状は冬の間の過ごし方の通信簿みたいなものだと思っています。冬に溜め込んだ老廃物を、春が発散というかたちで解毒と浄化をしてくれるのであれば、冬の養生をしっかりすることで、比較的春はおだやかなに過ごすことができるからです。

シャンプー不要。“湯シャン”のすすめ

養生法というと、季節や体質に合わせた食材を摂る食養生を思い浮かべますが、日々の暮らし方、心の持ち方すべてが養生につながります。中でもスキンケアやヘアケアといった一般的には“オシャレ”のために行うことを“養生”という視点で眺めてみると、今までやり過ごしてきた多くの違和感に気づきます。
 
例えば、普段何気なく行っているシャンプーは、春の影響を受けて乾燥しがちな頭皮にとって本当に必要なものなのでしょうか。
 
日々の皮膚の汚れは、ほとんどが水で落ちてしまいます。また、新陳代謝が整っていれば、皮膚の生まれ変わりのサイクルの中で、役目を終えた細胞は剥がれ落ちていくものです。
 
実際にお湯だけでシャンプー(湯シャン)をしてみても、その状態にからだが慣れてくると、頭皮の乾燥やかゆみを感じることがなくなり、毎日熱心にシャンプーをしていた頃より髪のまとまりも良くなりました。もちろん個人差はありますが、私の場合は湯シャンをする2、3年前から、高校生の頃から続けていたパーマとカラーを一切やめて、傷みのない地毛に戻していたことと、おだやかな洗浄力のシャンプーのみの使用にとどめていたこともあって、湯シャンへの適応が早かったのだと思います。今は自分の状態を見極めながら、必要に応じておだやかな洗浄力のシャンプーも使いつつ、季節の変化に負けずに、以前よりもすこやかな頭皮を保つことができています。
また、頭皮が元気だと、生えてくる髪の状態も良いので、シンプルなケアで十分きれいに伸ばすことができるのも嬉しいポイントです。以前はコンディショナー、トリートメント、ヘアオイル……といったアイテムを駆使して、伸ばしかけの半端な長さや傷んだ髪をまとめることになかなか忙しかったけれど、今は“つげの櫛(くし)”のみでヘアケア終了です。

つげ櫛
 
昔から日本女性の豊かな黒髪を支えてきただけのことがあって、つげの櫛で髪を梳(す)くようになってから、静電気や摩擦が起きにくく枝毛がとても減りました。たまに椿油で櫛の手入れをしているだけですが、不注意で落としてしまってもここ数年刃こぼれなどもなく立派に役目を果たしてくれています

不要なものをそぎ落とすと見えてくるもの

つげ櫛を使うようになってからは、髪がさらさらとして気持ちが良いので、普段はあえてまとめることもないのですが、最近になって春の養生として「髪をほどいてゆったりとさせる」と『黄帝内経(こうていだいけい)』(現存する中国最古の医学書)に記されていることを知り、なんだか嬉しくなりました。
 
そもそも、私が今でも湯シャンやつげの櫛を愛用しているのは、自分の中にいつもゆとりと自信を持っていたいから。
 
始めたきっかけは、すっぴんで過ごすことで整ってきた肌のように、髪もシンプルなケアにすると良い変化があるのではという興味本位でした。けれど、続けるうちにいろんなゆとりが生まれてきたのです。朝晩のケアにかかる時間、アイテムを買いそろえるためのお金、その日の髪の状態に一喜一憂する心……そういうものに追われずにいられる日々の豊かさを、感じています。

青空
 
もちろん、時間とお金を費やしていた頃が無駄だなんて思いません。あの頃はそれも楽しかったし、かわいい見た目と素敵な香りのアイテムは、ほんのひとときの癒しでした。だけど、いつも心のどこかで「これでいいのだろうか」という漠然としたモヤモヤを抱えていたのも事実です。シンプルなケアに変えたことで、時間やお金だけでなく心にもゆとりが生まれ、それまで自分でも気づきにくかったうっすらとした違和感や不安と向き合うことができました。
 
私に必要だったのは、自分の中に本来備わっている自然の力を信じるということ。
 
多くのモノに頼らずとも美しく在れる、その方が心地よくすこやかでいられるという実感は、日々のケア(=養生)をより意味のあるものにしてくれています。

すこやかな地肌とうつくしい髪を育む「きのね」


きのね シャンプー
★★★
 
★薬膳と暮らす台湾の日常
★きっかけはすっぴん〜シンプルになるきっかけ〜
★すはだで暮らすひと
 
工藤知子

工藤知子

1988年、北海道函館市出身。2008年、上京。大学で心理学、農業、フェアトレードなどを学ぶうちに、心と身体がすこやかであれば幸せに生きることができると思い至る。卒業後、有限会社あきゅらいず美養品へ入社。商品管理・広報などの業務の中、中医学・食養生などを学び、肌は心と身体の鏡であることを実感。2014年、退職を機に東北を中心に旅をした後、帰郷。4月より穂高養生園のスタッフとして長野県安曇野市で暮らし始める。現在は、心と身体がすこやかであるための探究をライフワークに、知恵と実践を求めて修行中。

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