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【連載】自分の心地良さから見えてくる世界|すこやかに生きるということ⑤

2015.12.28

すこやかに生きるということ, 美しさ, 自分らしさ

前回、「本物の「美しさ」はどこにある?」の中で、「美しさ」とは外見や言葉で取り繕っても満たされるものではなく、その人自身が自分の心と向き合いながら養っていくものだと書きました。
自分が気づいていないだけで、人はもともと美しく、その人のいのちが輝くと、さらに本来の「美しさ」が引き出されていくのだと思います。
 
この気づきは、今の私の在り方に大きな勇気と変化を与えてくれました。
 
自己肯定感、もっと言うと自分への信頼を取り戻したことで、今まで拒否反応があったものや苦手と感じていたあらゆることを、受け入れられるようになったのです。
 
また、他人にどう見られるかということよりも、自分の心地良さを優先することを許すと、穏やかですこやかな気の循環を感じられるようになりました。

コンプレックスを隠すためのおしゃれを脱ぎ捨て、ありのままの自分で

例えば、普段の身だしなみは年々シンプルになっています。
 
むやみに服や化粧品を買わず、使わないものを手放すようになり、今、本当に欲しいと思えるものだけを手元に置き、ファンデーションやスキンケア用品を使わずに、毎日すはだで過ごしています。
 
以前は東京の華やいだ街を歩いていると、飾り気のない自分に心細さを感じてしまうこともありました。けれど、前職が社長を含め社員もすっぴんで働くスキンケア会社だったこと、肌のことや中医学を学ぶうちに、小さな頃から幾度となく悩んできた肌トラブルの原因について思い至ったことから、すはだでいることに抵抗がなくなっていきました。
 
穂高養生園
 
また、髪を切るということへの意識も随分と変わりました。学生時代は、自己主張やお洒落のためのヘアカットをし、会社員時代は顔の丸さや髪のボリュームのなさといった欠点(と当時は思っていました)をカバーするために美容院に通っていました。

今は髪を切ることは「禊(みそぎ)」だという感覚です。なんだか今ひとつ直感が冴えないと感じたり、新しいことを始めたりする時、自分を整えるために髪を切るので、場所や雰囲気、カットしてくれる方の人柄は大切にしますが、髪型へのこだわりはほとんどなくなってしまいました。
 
ファッションに関わることは、今でも興味があるしとても好きだけれど、ファッション雑誌を熱心に読んで流行を追いかけていた頃とは違い、まずは自分の好みと日常に相応しいものを求めるようになりました。
 
そこに満足感が得られると、この服には作り手のどんな想いが込められているのか、どんな素材で誰によって作られたのか、自分が払ったお金はきちんと作り手のもとへ届くのかといった、自分を越えた先の世界に想いを馳せるようになり、今まで感じることができなかった広く深い繋がり、一体感のようなものに気づかされるのです。

周りに求めてばかりで空回りしていた頃からの変化

私はずっと、自分や家族よりも外の世界との繋がりを求めていました。
 
美しくなることが、その手段となっていた時のように、あの手この手で頑張っては空回りして、自分にも他人にも優しくできず、心身ともにすこやかな状態から離れていきました。だけどやっぱり、世界と繋がりたいという望み、すこやかに幸せに生きるということをあきらめきれずにここまできました。いつの頃からか芽生えていたこの欲求は、私が生きる糧であり、不変のものなのではないかと思います。
 
林道
 
私は今、自分の内側に目を向け、耳を澄ますことで、自分が心地良いと感じることをできるだけ丁寧にすくいとって行動するようにしています。たまに驚くような本音が出てきたり、今までの習慣から心の声を押さえ込みたくなったり葛藤もありますが、完璧を目指しているわけではないのでおおむね良い状態です。
 
身なりをさっぱりシンプルに整えることは、自分の本音を感じるために、私にとって必要なプロセスだったのだと思います。なぜなら、自分が心地良く、満たされたと感じれば、しだいに他人や外の世界に意識が向いて、無理なく優しく世界と関わることができると知ったから。
 
自分の心地良い状態を知って、その世界へ踏み出し始めた今、これからどんな景色が見えるのか、私自身がどう変化してゆくのか、楽しみでなりません。
 
空
 
私が暮らす穂高養生園は11月23日より冬季休園に入りました。そろそろ山を下って、久しぶりに街での暮らしがはじまります。少しのあいだ、自然と離れても都会の空気に飲み込まれないようにまっすぐ歩き、周りや世界と優しく向き合える自分で在りたいと思っています。
★★★
 
★自分らしいスキンケアを求めて
★自然のチカラは健やかな肌とからだを守ってくれる
 
工藤知子

工藤知子

1988年、北海道函館市出身。2008年、上京。大学で心理学、農業、フェアトレードなどを学ぶうちに、心と身体がすこやかであれば幸せに生きることができると思い至る。卒業後、有限会社あきゅらいず美養品へ入社。商品管理・広報などの業務の中、中医学・食養生などを学び、肌は心と身体の鏡であることを実感。2014年、退職を機に東北を中心に旅をした後、帰郷。4月より穂高養生園のスタッフとして長野県安曇野市で暮らし始める。現在は、心と身体がすこやかであるための探究をライフワークに、知恵と実践を求めて修行中。

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