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【連載】"すこやかに生きる"ための真理とは|すこやかに生きるということ⑯
2017.01.21
昨年の11月末に「穂高養生園」を出発して以来、約1ヶ月の旅を終えて、無事に生まれ故郷の函館で新年を迎えることができました。
前回お伝えしたように、旅の前半は京都で“ヴィッパサナー瞑想”の10日間コースに参加してきたのですが、今回は体調不良などの大きなからだの反応はほとんどなく、10日間しっかりと瞑想に集中できました。もう少し詳しく言うと、瞑想に集中するための自分のベストコンディションを知ることができた、という感じでしょうか。
自分のからだに丁度いい、食べる量を知る大切さ
例えば食事について、「冷えとり」をはじめてからは特に、食べ方や食べる量、食べ物の性質によって自分の心身になんらかの影響があるということを理解し、気を付けようとしてはいたものの、なかなか普段の生活の中で実感し、自分にとってベストな食事を探ることは難しいものでした。
ですが、10日間の一定の生活リズムの中で瞑想の質を保とうと意識すると、自分に丁度良い食事を存分に試行錯誤することができました。
中でも一番驚いたのが、食べる量です。
本当は、自分で思っているよりもずっと少ない量でからだは十分なのに、ついつい今までのあらゆる癖や習慣によって食べ過ぎ、さらにその状態で自分は食べ過ぎていないと思い込んでいたことに大きな衝撃を受けました。
「冷えとり」では、食べ過ぎが冷えの原因となり、病気を引き起こす場合があること、少食と腹八分の大切さを伝えているので、今までも意識していたつもりでいましたが、まだまだ甘かったようです。
もちろん瞑想のコース中と普段仕事をしている状態では、消費する体力や気力といったエネルギー量も違うので、常に適量が同じとは言えませんが、瞑想のコースを終えて旅に出てから今まで、あきらかに運動量が増えても1日1~1.5食くらいの食事で十分になり(もともとは1日2食でした)、満腹よりも空腹の方が心地良いので“腹八分”で食欲をセーブすることができます(今までは“腹八分”の感覚が曖昧でした)。
以前、【心とからだを自然のリズムとチューニングする|すこやかに生きるということ⑫】の中で“食べても食べなくても平気”というのを目指してみたいと宣言していたのですが、今がまさにその状態です。
「冷えとり」がすすめる食事のスタンスも、やっと本当に理解できたように思います。
「食べなきゃ力が出ない」とか「健康のためには規則正しく食べるべき」とか、そういった既成概念にとらわれることなく、美味しく感謝して食事ができる場で程良く食べることも、瞑想や仕事に集中したり、体調不良を治したりするために空腹でいることも、どちらも自分で選ぶことができる自由を愉しんでいます。
これからも“すこやかに生きる”ために
私は今までこのコラムで、過去に、そして現在進行形で実践している“すこやかに生きる”ためのヒントをお伝えしてきました。
それはあくまで私の心とからだに添ったストーリーなのですが、誰にでも共通する大切なことは、“自由でワクワクするような愉しさ”を感じているかどうかなのだと思います。
先に食事の例を挙げましたが、私は今、食べることに関して本当に自由で、その状況を愉しんでいます。言い換えると、不安がない状態、自分の選択に自信を持てる、自分自身を信頼しているということなのでしょう。
食べること以外にも、体調や病気のこと、生理や性に関すること、スキンケアやファッションのこと、自分との向き合い方や人とのコミュニケーションのこと、暮らし方や生き方……。
“すこやかに生きたい”と願うときに浮かぶあらゆるテーマの行きつく先は、自分で考え学びながら実践した結果に得られる自分への信頼、世間の既成概念やこれまでの自分の固定観念にとらわれない選択の自由、不安を吹き飛ばすほどのワクワクとした愉しさを自分が感じられているかということ。
「冷えとり」のように長く続けているからこそ、なにか他のことを試すときに、さらに理解が深まることもあれば新しい気付きにつながることもあるし、なにかで自分が揺れてしまったときに支えとなってくれることもあるのでしょう。
そうした経験がすべて糧となり“すこやかに生きる”ための真理に近づいていくのだと思います。
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工藤知子
1988年、北海道函館市出身。2008年、上京。大学で心理学、農業、フェアトレードなどを学ぶうちに、心と身体がすこやかであれば幸せに生きることができると思い至る。卒業後、有限会社あきゅらいず美養品へ入社。商品管理・広報などの業務の中、中医学・食養生などを学び、肌は心と身体の鏡であることを実感。2014年、退職を機に東北を中心に旅をした後、帰郷。4月より穂高養生園のスタッフとして長野県安曇野市で暮らし始める。現在は、心と身体がすこやかであるための探究をライフワークに、知恵と実践を求めて修行中。
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