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【連載】都会ではなく穂高養生園での暮らしを選んだ理由|すこやかに生きるということ①

2015.09.25

すこやかに生きるということ, コラム, 女性, 生き方, 田舎, 穂高養生園, 都会

私が働いている「穂高養生園」は、長野県安曇野市・北アルプスの麓にあります。
 
「穂高養生園」とは、長野県安曇野市にある宿泊施設。食生活が乱れ、運動不足に陥り、日々の生活を過ごすうちに疲れきってしまった、からだと心を癒すための環境が整っています。ホリスティック・リトリートとも呼ばれ、本来持っていた心身のちからを養う場でもあります。
 
あくまで個人的な意見だけれど、「穂高養生園」は、ホリスティック・リトリートを目的とした宿泊施設のなかでは、そこそこ有名なんじゃないかな、と思います。山の中ですから、買い物をするにも不便だし、東京にいた頃に通っていたような映画館や大きな書店もないこの場所です。
 
ここで暮らしはじめて、約半年。
 
養生園で暮らしながら、都会ではなかなか触れることができない動植物たち、大きな満月や降るような星空、清らかな川の水など……豊かな自然に触れながら、毎日さまざまな人と出会うことで見えてきた、私なりの「すこやかに生きる」ということ。

そのヒントを、このコラムでは言葉にできたらいいなと思います。

長野県安曇野市
 
その前にまず、どうして東京を離れることにしたのかというお話からはじめましょう。
 
少し遡って、2014年の夏。私は約2年半勤めた会社を辞めることを決意していました。同時に、これからどこで何をするのかもわからないのに、約7年暮らした東京を離れることになるという強い予感を、胸に秘めていたのです。
 
生まれ育った北海道から、大学入学とともに上京し、そのまま当時の会社に就職して以来、休日も仕事のことが頭から離れない日々。足りない知識と経験を詰め込むために本を買い漁り、百貨店に通い、イベントやセミナーに足を運ぶ……。

そうして、学んだことをひとつずつ実践しては、まるで人体実験のように自分の変化を観察していました
 
その状態が、しんどかったわけではありません。新しいことをインプットして、できるだけ早く何らかの価値を生み出すためのアウトプットをする。

その繰り返しは、当時の私にとって当たり前で、いつもおおむね高揚感で満たされていました。からだが悲鳴を上げても走り続けなくちゃ、止まっている暇はないんだと、誰に強制されたわけでもなく私自身がそれを選んでいたのです。
 
とにかくあの頃は、もっともっと学んで仕事ができるようになりたくて、いつだってそのために必要な時間とお金が足りませんでした。
 
***
 
人生とは不思議なもので、自分の意図とは裏腹に状況が変化することがあります。
 
私にとっては、会社の組織変更がまさにそれでした。会社の理念も同僚のことも好きだし、なにより私は、自分が抱えている仕事を、もっと発展させていきたいと思っていました。けれど、どうにも抗えない転機がやってきたことで、私は自分に立ち止まることを許して、素直な声を聴いてみることにしたのです。
 
ちょうどその時に出会った『リトル・フォレスト』という映画。

以前から原作は知っていたけれど、映像作品ならではの美しさ、力強さ、儚さ……その世界観のすべてに引き込まれていきました。そして「生きる 食べる 作る」というシンプルなコンセプトに触れたとき、私の中のなにかがはじけて、「もう十分だ」という降伏とあたたかさが入り混じったような気持ちが込み上げてきたのです。
 
川辺
 
それまでの私は、時間やお金、自分の努力さえも、まだまだ「足りない」という思考に捉われていました。
 
しかし、それは就職活動を始めたときに決めた「すこやかに生きる」という私の軸にとって本当に必要なことなのだろうか。

「足りない」ものではなくて、「すでにある」ものに目を向けたい。

そうすればいつだって「すこやかに生きる」本質から離れることがないと気づいた時、私の心はすでに次の居場所を求めていました。東京という街は好きだけれど、今の自分には相応しくないと思ったのです。
 
そして決意したことが、もうひとつ。それは、「すこやかに生きる」ために働くということでした。

両者を切り離したり、優先順位を間違わないように、私が「できること」と「したいこと」、そして相手が「求めていること」が交わるような仕事を探しました。
 
東京で見つけた、「すこやかに生きる」ためのヒントに従って辿り着いた、自然豊かな場所。ここには、「すでにあるもの」に気付かせてくれる環境があります。幸せなことに私は、ここでもたくさんのヒントを見つけることができているのです。
 
森の中で暮らすうち、見えてきた自分の姿、気づきがどんなものなのか。そのお話は、また次回。
 
★★★

★すこやかなすはだは、すこやかな暮らしから
★都会を離れて田舎で暮らすってどんなかんじ?
 
工藤知子

工藤知子

1988年、北海道函館市出身。2008年、上京。大学で心理学、農業、フェアトレードなどを学ぶうちに、心と身体がすこやかであれば幸せに生きることができると思い至る。卒業後、有限会社あきゅらいず美養品へ入社。商品管理・広報などの業務の中、中医学・食養生などを学び、肌は心と身体の鏡であることを実感。2014年、退職を機に東北を中心に旅をした後、帰郷。4月より穂高養生園のスタッフとして長野県安曇野市で暮らし始める。現在は、心と身体がすこやかであるための探究をライフワークに、知恵と実践を求めて修行中。

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