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【連載】布ナプキンという選択|すこやかに生きるということ⑧

2016.03. 6

からだ, すこやかに生きるということ, 女性, 布ナプキン, 生理

小学校高学年になったある日、クラスの女子だけが集められて、保健の先生から生理について授業を受けました。
 
教室に戻る前、その場にいた女子全員に手渡されたのは、可愛らしい袋に包まれた大手メーカーの生理用紙ナプキン。それを手にした思春期の私は、なんだか少し大人になったような気恥しさとともに、世の日本女性は生理の時に紙ナプキンを使うのが当たり前なのだということを知りました。
 
夕焼け空
 
かつての私がそうだったように、月に一度訪れるそれは、ブルーデーと呼ばれることもあるくらい、面倒で憂鬱だと感じている女性は、少なくないのではないでしょうか。だからこそ、慢性的な生理不順のため20歳頃まで毎月生理がくるなんてことはありえなかった私は、心のどこかで「楽でいいかも」と思っていました。

生理がこない本当の理由

“自分の不調は自分で治す”と決めた18歳以降、薬に頼らず自然に生理がくるからだになりたくていろいろと学んでいるうちに、私の生理不順は、普段の生活リズム、習慣、食事、服装といったからだに関する部分だけでなく、女性としての自信のなさ、女性性を受け入れられないといった心の部分が絡み合って起こっているということに気づきます。
 
そしてさらに、今までの生理痛の苦い記憶と、紙ナプキンを使うことへの不快感(肌のかぶれ、ニオイ、ゴミの多さ、コスパの悪さなど)から、無意識に生理がくることをブロックしているんじゃないかと思うようになりました。

紙ナプキンより心地よい布ナプキン

そんな頃に出会ったのが、布ナプキンです。
 
名前くらいは聞いたことがある、もしくは使っているという方もいるかもしれませんね。現に私が布ナプキンを使い始めた5年前と比べて、今では取り扱っているお店や種類も増え、その知名度もグンと上がったように感じています。
 
布ナプキンと冷え取り靴下
 
名前の通り素材は布(オーガニックコットンやガーゼ、清潔な古布など)ですから、洗濯をして繰り返し使うことができるのですが、紙ナプキンのようなケミカルな吸収体、ズレや漏れ防止の構造などがないため、慣れるまでは不安な上に使い捨ての便利さもありません。最初は使い勝手がわからず抵抗があったものの、それでも私が悩んでいた紙ナプキンの不快感を解消できるかもしれないと思い、試してみることにしたのです。
 
最初は紙ナプキンの上に布ナプキンを重ねて、その後は布ナプキンだけを多めに重ねて何度か試して感じたことは、不便なことより気持ち良いことの方が多いということです。

例えば、“かぶれない”“紙ナプキンのようなニオイがない”“ゴミが出ない”“初期費用はある程度かかるもののその後の出費がない”“買い置き不要”……などです。

昔の女性の知恵が心を軽くしてくれる

今までストレスに感じていたことがなくなっていく一方で、やっぱり帰宅後の洗濯は少し手間でした。基本はつけ置き後に洗濯機に入れるので面倒ではないのですが、せめて枚数を減らせると楽なのに……と考えていた頃、月経血コントロールを知りました。
 
布ナプキン
 
三砂ちづるさんの『昔の女性はできていた』(宝島社)という本にもある通り、かつての日本女性は、意識的に月経血をためておき、腹圧をかけてお手洗いで排出することを普段の生活の中で自然と身につけていたようです。
 
以前、Amuse Museumの『BORO』という、何代にも渡り使われてきた衣服や布類の展示で、昔の女性の下着を見る機会があったのですが、腰巻きのようなものが主流で、現代の下着のような安定感はありませんでした。月経血コントロール(当時はこんな呼び名はなかったと思いますが)は、できるだけ着物や下着を汚さないような術でもあったのでしょう。
 
月経血コントロールを身につけるには、からだを鍛えることも必要ですが、まずは「布ナプキンを汚したくない」「月経血はお手洗いで出す」といったことを強く意識することがポイントで、生理がやってくる度に練習していました。
 
これを始めてから、“布ナプキンの洗濯枚数が減る”だけでなく“生理痛が軽くなる”“生理期間にメリハリが出て短くなる”という嬉しいからだの変化があったのですが、何よりも大きいのは心の変化でした。
 
以前は「生理がこないほうが楽」と思っていたのが、月経血コントロールを試したいばかりに早く生理がくることを願ったり、生理中も心地良く過ごせたりしたおかげで、その時の月経血の様子から自分の体調について知ることもできるようになり、生理を待ち遠しく感じるようになったのです。

生理は不快なものではない

もちろん、からだや心の変化は布ナプキンや月経血コントロールのおかげだけではなく、同時に生活全般の改善、自分の心のケアに励んだことも大きいと思うし、紙ナプキンを否定しているわけでもありません。
 
あくまで私の場合は、布ナプキンとの出会いで生理が心地良いものになり、月経血コントロールのおかげで自分の可能性が広がったというだけ。
 
だからこそ、小学生の女の子が一番初めに生理について学ぶとき、選択肢のひとつとして、布ナプキンのことや月経血コントロールのことを知っておいて欲しい。もし自分に子どもができたら、そんなことを伝えて、自分の心地良さはどこにあるのかを探っていって欲しいと思うのです。

★★★
 
★きっかけはすっぴん〜シンプルになるきっかけ〜
工藤知子

工藤知子

1988年、北海道函館市出身。2008年、上京。大学で心理学、農業、フェアトレードなどを学ぶうちに、心と身体がすこやかであれば幸せに生きることができると思い至る。卒業後、有限会社あきゅらいず美養品へ入社。商品管理・広報などの業務の中、中医学・食養生などを学び、肌は心と身体の鏡であることを実感。2014年、退職を機に東北を中心に旅をした後、帰郷。4月より穂高養生園のスタッフとして長野県安曇野市で暮らし始める。現在は、心と身体がすこやかであるための探究をライフワークに、知恵と実践を求めて修行中。

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