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【連載】結婚・出産後に始めた「嫁」「母」の心コスプレ|酸いも甘いも家族の内③

2016.01. 9

ヒビノケイコ, , 家族, , 田舎暮らし, 酸いも甘いも家族の内

ヒビノケイコ

わたしは、結婚してから人口12,000人が住む、高知県れいほく地方に移住しました。想像以上に「違う人を受け入れる」文化が根付いていた田舎暮らし。それはわたしにとって嬉しい誤算でした。
 
暮らし始めてからは、ご近所さんから「ああ、あの○○家の息子さんのお嫁さんね」と認識され、声をかけられるように。
 
「わたし個人というよりも、嫁カテゴリかあ……」と違和感もありますが、別の観点から考えてみれば、家単位でのお付き合いがメジャーな田舎で「嫁というポジションだからこそ、早く親しんでもらえる良さもあるのかも」とも感じます。普段なかなか接点がないであろう、おばあちゃん達にも気軽に声をかけてもらえますしね。移住した知らない土地に馴染むには、助けられた部分がありました。
 
高知での家族のようす
 
 高知には「いごっそう」と呼ばれる頑固なおじさま達もいらっしゃり、お酒を飲むと大きな声で一見ケンカのような議論が始まります。田舎の作法や、女は台所・男は居間で酒を楽しむ、というやり方に少し違和感もあります。一方で、民俗学的な視点から見てみると、楽しめる部分も増えていきます。きっと嫁としては足りないところだらけだと思いますが、みなさん良くして下さってます。
 
大切な友だちとは、既婚も未婚も子どもの有無も関わらず、付き合っています。ただ、子どもができてからは「Sくんのママ」というカテゴリで見られることも増えました。産後すぐは外出も減り、付き合う人の幅が狭くなったので「ケイコさん」と呼ばれることが減って寂しかったな。
 
だけど反対に、いいこともありました。それは、今まで付き合ってこなかった人たちとのお付き合いが始まったこと。それまで「友だち」といえば、価値観や趣味が合う人オンリーでしたが、「ママ同士」ということで、価値観のワクを超えた人たちとも友だちになれ、思ってもみない人の面白さに気付けるようになったんです。
 
違和感を感じるけいこさん
 
高知は好きだし、家族も好き。結婚して11年、移住して9年暮らしながら馴染んできました。
 
それでも、ある種の「違和感」は消えないまま
 
でも、思い返せば、生まれ育った大阪にも、大好きだった京都にも、誰と付き合っても、やっぱり違和感はあったんです。
 
移住して最初のころは「違和感はなくさないと」と思っていました。いつかこの感覚は消えるはず、と信じていました。でも、何年たっても消えないまま。あるとき「ああ、もしかしたら、違和感はあったままでいいのかもしれない」と思うようになりました。
 
わたしにとっては、そのまんまの自分に対して「嫁」コスプレ、「母」コスプレをしている。そんな感覚があるんだと思います。それは、個人としての「自分」とは違うもの。だけど、そういった役割や社会的な仮面をうまく乗りこなし、使いこなす部分があってもいいのかな・・・と感じています。
 
keicolum (4).jpg
 
ただ、いろんな役割はあっても、「自分」を失わないようにと意識はしてます。「違和感を捨てよう」相手やコミュニティに「あわせよう」とし過ぎると、いつしか心が耐えきれずに爆発したり、苦しくなったりする可能性があるから。
 
それに、違和感は「創造のヒント」にもなりうるんです。
 
この違和感は、どこから発生したもの?
なんか、もぞもぞする。
なんか、違う。
 
じゃあ、次の世代として何をしたらいい?
自分たちには、どんな仕組みや在り方が、しっくりくる?
 
そんなふうに、今までの家族の在り方や仕組みのなかで、使えるところはうまく使いながら、でも違和感は大切にして”もっともっとしっくりくる在り方”を自分たちで作っていく。
 
違和感を持ったままだと、しんどい時もあるし、持ち続けるには気力がいります。けれど、すべてに合わせてすっかり馴染んでしまうよりも、あえてそれを持ちながら生きていくこと。それは、いろいろな方向から世界をみる視点を保ち、自分自身を絶えず確認するために大事なことなんじゃないかな、と思うのです。

今日の家族問答

あなたが今置かれてる環境で、もし違和感を感じているなら、どんな仕組みややり方にするとしっくりきますか?


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★★★
 
★きっかけはすっぴん〜シンプルになるきっかけ〜
ヒビノケイコ

ヒビノケイコ

4コマ漫画エッセイスト。9年前京都から高知の山奥、嶺北エリアに移住。自然派菓子工房ぽっちり堂オーナーをしつつ、作家・講演活動をしています。新しい時代に必要な視点と、多様なライフスタイルを地域から発信中。移住、ローカル、女性の軸、仏教、子育て、アートがテーマ。 ブログ「ヒビノケイコの日々」http://hibinokeiko.blog.jp

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