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【連載】すべてにストーリーがある。鎌倉の「hotel aiaoi」での豊かな時間|発酵とすはだのおいしい関係(16)

2016.08.12

hotel aiaoi, みそ汁, 朝ごはん, 発酵とすはだのおいしい関係, 鎌倉

6月のある日、朝ごはんのみそ汁に五味醤油の「甲州やまごみそ」を使ってくれている宿に泊まってきました。

hotel aiaoi
 
訪ねたのは、江ノ電の長谷駅のすぐ近くにある「hotel aiaoi」。ご夫婦二人で営んでいる小さなホテルです。友人がホテルのデザインと施工に関わっていたので、空間作りの様子をずっとSNSを通して見ていました。ある日、その友人から連絡が。
 
「先日、おみやげで五味醤油のみそをいただきまして! オーナーの奥さんも気に入ったようで、ホテルで毎朝出すお味噌汁に、みそを使わせてもらえないでしょうか…?」
 
もちろん返事はOK。みその味を気に入っていただき、毎朝提供する朝ごはんに出してもらえるなんて、こんなうれしいことはありません。

朝ごはんを食べに

hotel aiaoiは、3階だてのビルの3階部分をリノベーションしたホテルです。ビルを入って1階、2階、そして3階へと上がると、とつぜん壁が藍色になり、雰囲気が一変します。

hotel aiaoi
 
朝ごはんは、宿泊した人のみいただけるシステム。なので夜は、オーナーご夫婦のおすすめのお店で地魚と地酒を楽しみ、眠りにつきました。
 
翌朝、カフェラウンジで他の宿泊者に方といっしょに食卓を囲み、朝ごはんをいただきます。大きな窓から降り注ぐ朝陽と、遠くに聞こえる波の音もいっしょに。

旬とこだわりをぎゅっとつめた朝ごはん

朝ごはんは、まず漢方茶で始まります。鎌倉市大船にある杉薬局の三代目がaiaioiのためにブレンドしたものだそう。お腹から、からだを温めて心身がくつろぎ、胃を落ち着かせてくれる作用があります。朝ごはんを食べる前の、事前準備のようなものです。実際に、朝の空っぽの胃が1杯の漢方茶であたたまり、「いただきます!」と気持ちが整いました。

aiaoi3.jpg
 
この日の小鉢のタコは、なんと漁師さんがバケツに入れたまま届けてくださったそうです。お米はオーナーの裕子さんのお父さんが育てだ無肥料無農薬五分づき米。お米の糠は、ぬか漬けに使用されています。そして、昆布とかつお節で丁寧にとったお出汁が入ったお味噌汁と、茶碗蒸しが用意されています。そして出汁がらは、ふりかけに。

完食した朝ごはん
 
もちろん、朝ごはんは完食。
 
すべて食材の味を引き立てる、やさしく丁寧な味付けでした。朝ごはんの解説やそのストーリーをいっしょに楽しめるので、味わいも2倍。食材、調味料、箸にいたるまですべて作り手さんのエピソードや、選び抜くまでのストーリーがありました。
 
hotel aiaoi
 
朝ごはんの最後に、どうして五味醤油のみそを朝ごはんに使ってもらったか聞いてみました。
 
「なんか、懐かしい感じがして、ピンときたから。そしておいしかった!」とのこと。オーナーの裕子さんのお母さんは、昔から家族のごはんを丁寧に作ってくれる方で、調味料も家族のために余計なものが入っていないものを選んで使っていたそう。なので、余計なものが一切入っていない五味醤油のみそがなつかしくもあり、しっくり来て、お味噌汁に使ってもらえることになったそうです。私もですが、味の記憶や形成は、やはり「母の手作りごはん」に尽きるようです。

aiaoiで過ごした豊かな時間

hotel aiaoiは、オーナーご夫婦のこだわりをぎゅっと凝縮した宿でした。目にする季節の草花、オリジナルの部屋着や、ぐっすり眠れるベッド、目にするもの、触れるもの、口にするものがすべて心地よくて、とても豊かな1泊2日になりました。

寝室
 
いたるところに、オーナーの裕子さんの手描き文字で解説があるのもすごく良い。ホテルに泊まった翌日、感想を綴った手紙を出すと、裕子さんの優しい文字でうめつくされた葉書が返ってきました。そんな裕子さんの心遣いも見習いたいところです。
 
うちのみそがこんな豊かな空間で使ってもらえて、毎日の朝ごはんで皆さんに飲んでいただけること。とっても嬉しいです。改めて、誰かの暮らしや生活に寄り添っていることを実感することができ、みそ屋として、背筋がピンとのびる2日間でした。

hotel aiaoi

  • 住所:248-0016 神奈川県 鎌倉市 長谷2-16-15 サイトウビル3F
  • 電話:0467-22-6789
  • Facebook : hotel aiaoi
  • お問い合わせ・ご予約は公式サイトから
★★★
 
★薬膳と暮らす台湾の日常
★きっかけはすっぴん〜シンプルになるきっかけ〜
★すはだで暮らすひと
五味洋子

五味洋子

山梨県甲府市出身。東京農業大学醸造科学科にて発酵学を学ぶ。卒業後、2009年ライフスタイル提案会社に就職。社員食堂の立ち上げや、新規事業部で商品企画を担当。2013年、味噌屋への帰郷を決意。みそ屋の六代目を務める実兄と発酵兄妹として手前みそ文化や、発酵文化を伝えるため日々奮闘中。

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