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【連載】みそ屋発のダンスユニット!?「発酵兄妹」結成秘話|発酵とすはだのおいしい関係(9)
2016.01.24
てまえみそのうた, 味噌屋, 発酵, 発酵とすはだのおいしい関係, 発酵兄妹
私は山梨県にあるみそ屋「五味醤油」の娘ですが、「150年続いた伝統を、これからも守り、みそ汁のある食卓を残していく」ということを考えながら、日々「発酵兄妹」として仕事をしています。
「発酵兄妹」って?

家業であるみそ屋を継いでいる兄と「発酵兄妹」というユニットを組み、みそだけでなく、発酵文化や日本の食文化を伝える活動をしています。というと、かっこよく聞こえますが、まずは楽しく伝えるというところに重きを置き、歌に合わせて踊って五感で発酵文化を体験できる取り組みに、力を注いでいます。
みそ汁のある食卓を残したい。
うちのみそ屋では、15年ほど前から、食育の授業として、近所の小学校にて出張みそづくりをしていました。そのころは母が講師として出向いていましたが、「みそ汁が嫌い」という子が、クラスに2-3人はいたそうです。
母は、この現状に強い危機感を感じました。
「みそ汁が嫌い、美味しくないと思う子どもが親になったら、果たして我が子のためにみそ汁をつくるだろうか? 日本の食卓の風景が変わってしまうのではないか」と。
この頃から、みそをつくるだけでなく、食べものを手作りする大切さや、食の尊さを伝えるようになったそうです。
6年生の総合学習の授業、出来上がったみそは山梨名物のほうとうに入れていただきます
この出張みそづくりは、その後、母から兄に引き継がれました。兄は紙芝居を作ったり、子どもが楽しめる工夫をいろいろと試みたりして、歌をつくろうと思いつき、友人の発酵デザイナー・小倉ヒラクさんに依頼して、3分でみその作り方が分かる「てまえみそのうた」を作りました。
食をたのしく伝える取り組み「てまえみそのうた」
みそ、みそ、みそ手前みそ〜♪
という覚えやすいメロディーに、とってもかわいいダンスがついた「てまえみそのうた」。
大豆シスターズの間で踊るのが、母。そして、後ろにいる男の子と女の子が、私たち発酵兄妹です。

この歌が完成した2011年、すでに発酵兄妹は結成されていましたが、まだ私は東京で会社員をしていました。けれど、徐々に歌の認知度が高まり、みそづくり教室が広まり、食育にもっと力を入れていこう!というタイミングに兄に呼ばれ、みそ屋で一緒に働くようになったのです。

この歌が完成した2011年、すでに発酵兄妹は結成されていましたが、まだ私は東京で会社員をしていました。けれど、徐々に歌の認知度が高まり、みそづくり教室が広まり、食育にもっと力を入れていこう!というタイミングに兄に呼ばれ、みそ屋で一緒に働くようになったのです。
前回のコラムで書いたみそ屋を継いだ決定的な理由は「てまえみそのうた」の波及だったかもしれません。
保育園でのみそづくりの様子
ご先祖様は、子孫がみそづくり教室で歌ったり、踊ったりとしている姿にびっくりしているかもしれません。でも、これが私たちなりの食の伝統や楽しさを伝える方法です。歌や踊りを通じて、楽しそうだな、おみそづくりしたいな、というきっかけの種を蒔いているのです。
発酵という現象も、ゆっくりじっくりであるように、私たちの活動も自然にじわじわと醸されて広がるように、日々取り組んでいます。
★★★
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五味洋子
山梨県甲府市出身。東京農業大学醸造科学科にて発酵学を学ぶ。卒業後、2009年ライフスタイル提案会社に就職。社員食堂の立ち上げや、新規事業部で商品企画を担当。2013年、味噌屋への帰郷を決意。みそ屋の六代目を務める実兄と発酵兄妹として手前みそ文化や、発酵文化を伝えるため日々奮闘中。
五味洋子の記事一覧
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