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【連載】目玉焼きにはソース派!の理由|発酵とすはだのおいしい関係(15)
2016.06.27
目玉焼きは、もっぱら醤油派の私でしたが、とあるソースと出会ってから、なんとソース派に転身しました。今日は、そんな私の食習慣を変えたソースの話をしたいと思います。
ソースとは?
調味料であるソースのことを、少し調べてみました。
ソース(英語: sauce; 原義は「塩味」)(en:Sauce)とは、料理に用いられる中間的な製品、あるいは汎用の調味料で、とくに調味を担い、液状またはペースト様の性状をもつものの総称。(Wikipedia)
ソース屋さんに、ソースとはどんなものを言うので聞いてみたのですが、「しょっぱくて、ドロッとした液体」という回答でした。醤油も英語でソイソースと言うし、家庭でも、ソースと言っても、ウスターソース、中濃ソース、お好み焼きソース、オイスターソースとドロッとしている液体の総称になるでしょうか。
ソースは、おいしいものをぎゅっと凝縮したもの
日常的に使うけれど、あまりその正体が知られていないソース。気になって、ソースの作っている現場に行ってみました。
訪ねたのは、静岡県浜松市にある「トリイソース」。このソースと出会ってわたしの食習慣が変わったと言っても過言ではありません。


ソースは、野菜と調味料とスパイスを合わせたもの。トリイソースでは、国産野菜を使用し、可能な限り地場の静岡の野菜を使用しています。おいしいソースの秘訣は原料にあり!なんですね。


まるで、給食室のような工場で、職人さんの目の届く範囲でていねいにソース作りは行われていました。職人さんの手でカットされた野菜を大鍋に入れて、調味料とスパイスを合わせてじっくりと煮込んでいきます。
そう、ソースは野菜の旨味をギュッと凝縮したスープのようなものなのです。そして、トリイソースの秘密がこれ!


なんと、ソースを木桶でじっくりと熟成させます。木で熟成させることで、まろやかなソースに仕上がるそうです。
おいしいソースの決め手は「まろやかさ」
これまで、自家製ソースに挑戦したこともありますが、野菜とスパイスの味のパンチの効いたなんとも主張の強いものができてしまい、せっかくの料理の味を消してしまいました。「まろやかさ」がソースにおいては大切で、どんな料理にも合い、料理のうまみをそっと引き出すものなのかもしれません。
はじめてトリイソースを食べたときに、そのまろやかなおいしさに驚きました。野菜の旨味を閉じ込め、スパイスや調味料で味を整えたもの……おいしくないわけがありません。製造方法を知ってから、洋食を作っているときに一味足りないなと感じたら、うまみを足す意味で、トリイーソースを数滴入れます。そうすると料理にぐぐぐっと深みが加わるのです。
もちろん、わたしの朝ごはんにも欠かせません。以前までは、目玉焼きには醤油でしたが、トリイソースのまろやかなおいしさに出会ってからは、ウスターソースをかけるようになりました。調味料との出会いが、長年の習慣をも覆してしまうなんて、なんとも奥深い世界です。
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五味洋子
山梨県甲府市出身。東京農業大学醸造科学科にて発酵学を学ぶ。卒業後、2009年ライフスタイル提案会社に就職。社員食堂の立ち上げや、新規事業部で商品企画を担当。2013年、味噌屋への帰郷を決意。みそ屋の六代目を務める実兄と発酵兄妹として手前みそ文化や、発酵文化を伝えるため日々奮闘中。
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