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うみ•そら•みどりを召し上がれ!
就労時間って何だろう。働くってお金を稼ぐことだけじゃない私の日常
2016.07. 9
そうそう、ここ10年、15年くらいでやっと知名度上がってきたし、まわりに玄米食べてますって言っても理解を示してもらいやすい環境になったよね。
でも、わたしがお母さんのお弁当を食べてた小学生、中学生の頃って「マクロビオティック」っていう言葉はもちろん、玄米を食べていることさえ
言えない雰囲気だった気がする。高校生になっても「玄米を食べて育った」ことは特に明かしたことなかったもの。その頃は玄米を食べていたことが(一部の人にだけだけど)プラスのイメージになるなんて思ってもみなかったです。笑

小中高短大と公立だったけど、本当にまわりに友だちだけじゃなく、先生や親、親戚含め肯定的な人いなかったよね。よくやってたよね、お母さん。
わたしだったら心折れちゃう。
わたしは子どもだったから、お母さんさえ喜んでくれればそれで満足できた部分が大きかったな。子どもにとってお母さんってそれくらい大きい存在。喜んで洗脳されてたと思う。笑
アレルギーとかあったわけじゃないのに、給食じゃなくて玄米のお弁当を毎日学校に持って行ってたけど、「皆と同じもの食べたい」って気持ちにもならないの。
だって「皆が食べてるのはわたしが食べられないもの」と思い込んでいたから。お母さんが一生懸命食事に気を遣っていたのは、子どもながらにわかってたから、食べてみたい好奇心は強かったと思うんだけど、それよりもこれ食べたらお母さん悲しむんじゃないかなって考えたら、手も口もだんだん出なくなっていたと思う。
だから、あまり給食のことで辛かったことはなかったと思うんだけど、カキ氷はあの普通のやつがめちゃくちゃ食べたかった!
今は全然食べたくないし、食べさせたくないんだけど、、大きな憧れがあって、舌の色が変わるのがやってみたくてやってみたくて。笑
小さな頃は、ストレートジュースとか、良くて手作りシロップをかけてもらってたんですよね。
でもいつからか(食べたいってうるさく言ったんだと思うんだけど)たまーに食べさせてくれるようになるんです。
そこでも謎の気遣い(?)で、ブルーハワイとかよりはまだ身体に良さそうなレモンとかスイ(みぞれまたはカンロ)を頼むようにしてました。笑
こどもの思考回路って不思議ですね。
こどもの思考回路って不思議ですね。
そして、我が子にはやっぱりまだ普通のカキ氷は食べさせてません。あれ?経験生きてないね?
氷というだけでもご馳走な我が家にはまだ早い!なんて思ってますが、長女も来年から小学生。そろそろ限界も感じています。
カキ氷はもちろん、チョコレートや綿あめ、駄菓子やアイスクリーム、世の中にはいろんな誘惑があります。食べるデビューを少しでも遅らせようと、日々試行錯誤中です。
そういえば、「笹のいえ」の営業もかなり試行錯誤。去年の秋にオープンした「笹のいえ」は、例年通りのカビの襲撃にあわあわしつつ、はじめての夏を迎えます。
最近、「笹のいえ」の話になったとき「お客さんどう?来てるの?」ってよく聞かれます。実際「ゲスト」は、ありがたいことに、いらしていただいています。ただ、その人たちが皆泊まるわけでもないし、遠くから訪ねてくれた友人もいるわけで、皆がみなドネーションしてくれるわけでもないのですが。
でも、長女を保育に預けるとき、親の「就労時間」を提出する必要があったんです。会社員なら「一日何時間労働週休何日だから、月にこのくらい働いてます」と言えるのですが、うちのように民宿をやっている場合の就労時間ってどこからどこまで???
園に提出した資料には、就労時間はお客様の滞在時間ってことでカウントされました。確かに滞在中はずっと家にいないといけないので拘束時間ってことは納得できるんですが、実際はお客様をお迎えする準備の方がずっと時間がかかるし、そこがなきゃお客様を迎えられないんですよね。
来る前の掃除と、帰った後の洗濯はもちろん、うちはそこに加えて普段から調理やお風呂に使う薪作りや食材として利用する農作業、お客様の車を駐めるスペースの草刈りなどがあります。
そこに加えて大事なのが日々の保存食作り。保存食って言っても、日々の調味料から常備菜、小さなストックまでいろいろ。急なお客様でも困らない、日々の手作りがあるとシンプルなプレートもスペシャルになりますよね。
今の時期なら梅仕事、少し前にらっきょう漬けもしました。


お出かけの時はごはんだけ詰めればいいように、こどもが好きなふりかけを作り置きしたり、ぬか漬け他漬物系や佃煮的なものも何種か常備するように心がけてます。
保存がきくものって、調理も時間がかかる(干すとか寝かす時間も調理というなら)かわりに、簡単なものが多いですよね。梅干しなんか出来上がるまで最低3ヶ月かかる、なんて聞くと気が遠くなっちゃう人もいるかも知れないけど、漬けてしまえば10年も20年も持つんだって思ったら、わたしは断然お得感を感じます。
夜ご飯を作るタイミングの片手間に仕込んだり、とりあえず洗っておくとか、とりあえず水に浸けておくとか、とりあえず煮ておく、とりあえず干しとく、みたいな下処理を日々やりながら作ります。
次から次へ季節の保存食に追われながら、母ちゃん母ちゃんと追ってくるこどもたちもある程度かわしながら、おいしくできた時の喜びをかみしめながら日々手作りしています。
そんな我が家で最近作ったものを簡単適当レシピ付きでいくつかご紹介。(分量が書いてないものは全て適量です。味をみて調整してください)

ニラも醤油も手作りニラ醤油
●材料 ニラ、醤油
●作り方 ちょっと多めに採りすぎちゃったニラ、すぐしなびちゃうので余ったと思ったら、5mmくらいに刻んで瓶に入れます。
7分目くらいまで醤油を注いだら上からニラを押して醤油の中に浸かるようにします。
豆腐やさしみコンニャク、チャーハンの味付けやごはんにかけるのもおすすめです。

干したけのこのメンマ風
メンマが好きで春に食べきれないたけのこをたくさん干しました。いろいろ実験中の我が家のメンマ。毎回味が違うのはご愛嬌でお願いします。
●材料 干したけのこ(水で戻す、もどし汁は捨てる)
にんにく(みじん切り)
しょうが(みじん切り)
ごま油
しょうゆ
出汁
みりん
鷹の爪
にんにく(みじん切り)
しょうが(みじん切り)
ごま油
しょうゆ
出汁
みりん
鷹の爪
●作り方 ①ごま油でにんにく、しょうがをよく炒める。②たけのこも①に加え、さっと炒めてから残りの材料を入れて煮つける。

お友達のうちの山椒で作った和製ラー油
採れたてフレッシュな山椒の香りがたまりません!にんにくも畑で採れたもので作りました。
●材料 下処理した山椒
にんにく(みじん切り)
菜種油
ごま油
カルダモン
胡椒
一味唐辛子
●作り方 ①油以外の材料を鍋に入れ、ひたひたになるくらい菜種油を注ぎ弱火にかけます。②油が沸騰してきて、油に色が移ったら火を止めてごま油を加えます。③粗熱がとれたら瓶に移します。

庭のパクチーオイル漬け
ちょっと目を離したすきに花が咲いちゃったパクチー。花と柔らかそうなところだけ急いで収穫してきました。
●材料 パクチー(洗ってよくかわしておく)
にんにく(スライス)
オリーブオイル
●作り方 瓶ににんにくとパクチーを入れて7分目くらいまで油を注いだら、上からパクチーを押して油の中に浸かるようにします。パスタに絡めたり、ドレッシングや和え物に使う予定です。

手作りジンジャーシロップ
種生姜が余ったと父ちゃんから渡されたはいいけど痛み始めていたので焦って加工。シナモンを切らしてたのが残念。
●材料 しょうが
粗製糖
水
カルダモン
クローブ
鷹の爪
●作り方 全ての材料を鍋に入れ火にかけて10分くらい煮出したら、濾してシロップだけを瓶詰めします。濾した生姜のカスを少し炒めて味噌で味付けして「しょうが味噌」も作りました。

初挑戦ザワークラウト
ずっと作ってみたいと思いながら、実家(ブラウンズフィールド)でも我が家でも、キャベツがたくさん採れたことがなくてできなかったのですが、たまたま頂き物のキャベツがかぶって嬉しい悲鳴!食べちゃう前に作らなきゃ!
●材料 キャベツ:1キロ(千切り)
塩:キャベツの2%
キャラウェイシード:5g
●作り方 材料を全部揉んで重石をして10日ほど待つだけ。美味しく醗酵してました。
まだ、塩麹とか甘酒とかにんじんの葉っぱふりかけとかタバスコ風とか、ケチャップ風ソースとかやまもも酒とか、ドライすももとかいろいろあるんですが長くなってしまったのでこのへんで。
何か家にあるもので作れそうなものはありましたか?
保存食作りの何が楽しいかって、普通は働いてお金を稼いで買う調味料や加工品を手作りすることで出費も減らせるし、付加価値もついちゃうし、何が入っているのかわかるから安心安全、なにより美味しい!って、お母さんも言ってたけどいいことしかない!
幸い、手間が苦じゃないくらい好きなので、好きなことで暮らせる、それが仕事にもなるなんて、めちゃくちゃありがたいです。
でも、どこまで仕事でどこから私生活かという線引きはかなり難しい、というかできません。
わたしの中では「働く=お金を稼ぐ」より「働く=暮らす」がぴったりきます。
毎日かまどに火をくべるのも、誰かにお料理を作るのも、収穫したらっきょうを洗うのも、梅干しを漬けるのもぜーんぶ暮らしの中。
ゆるやかに日々が繋がって、めぐりめぐってお金になる働き方は暮らし方、10年20年30年繋いでいきたい生き方。
就労時間はカウントできないけど、一つの「生き方」として存在したい。
わたしがお母さんの背中を見てきたように、わたしの背中を子どもたちに見てもらおうと思います。

そういえば、今年はブラウンズフィールドのカフェが10周年?まさかこんなに続くなんて誰が予想してたかしら。
お母さんがカフェを始めた時の娘の反応は
「えー?カフェなんかやるのー?意味わかんなーい」でした。。すみません。
何か計画があるなら聞きたいで~す^^
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中島子嶺麻
1984年中島デコの長女として生まれる。「おなかの中からマクロビオティック」で育った純マクロっ子。2007年から千葉房総にあるブラウンズフィールドで、日々の調理や イベント、経理などを担当。結婚後、3児をプライベート出産する。2013年高知県に引っ越 し、古民家を修復しながら農的生活をはじめる。2015年むかし暮らしの宿「笹のいえ」として体験型のお宿をスタート。得意料理は、旬の野菜の皮から根っこまでを余さず使うMOTTAINAI料理。著書に「きれいになる「ゆるマクロビ」玄米と野菜のワンプレートごはん」「朝つめるだけ 玄米と野菜の「ゆるマクロビ」弁当」家の光協会、「小さな子のマクロビオティックおやつ」パルコ出版。
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