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うみ•そら•みどりを召し上がれ!

雨の入園式、新しい生活がスタートします。~給食?お弁当?我が家の保育事情~

2016.04. 9

お弁当, ポストハーベスト, 中島子嶺麻, 保育園, 笹のいえ, 遺伝子組み換え

「まれびと」か~。
こんな田舎にある変わった家に、宿泊に来るお客さんも集まる人も遊びに来てくれるご近所さんも、その時点ですでに「まれびと」なんじゃないかな~。
特に変わった特技のある人ばかりが「まれびと」なんじゃなくて、考え方、捉え方、生き方、持ってるアンテナが一歩先行く「まれびと」に多いなーと感じます。
(ブラウンズフィールドでは日常的にスゴすぎる人が来て、私の感覚が麻痺しちゃって一つひとつの出会いを大切にする時間が持てなかったなーと反省します)
 
大阪から自転車でやってきた高校生とか、彩りの町、徳島県上勝のキーパーソンとか、「笹のいえ」の器を焼いてくれるご近所のアーティストとか、日本最古の伝統工法で造る土壁職人とか、私たちの話を聞いてパッと笹のいえを紹介してくれたNPOの方達とか、お客様含めたくさんの「まれびと」に支えられています。
そう思えば、身寄りもない山奥に移り住み、宿をやっちゃう私たちもまれびとなのかな。
みなさんも、笹のいえに泊まって一緒に「まれびと」になりましょう!お待ちしています。
 
ほぼ満開の桜も雨にぬれてひっそりとしていた4月1日。保育園の入園式に行ってきました。
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我が家の長女ももう5歳、年長さんです。人口約4000人の町には保育所が一つあるだけで、幼稚園もなく、近くに自主保育のサークルもなく、
両親ともに働きにも出ていないので、まだ通わせなくていいかと、子どもたちをずっと家に置いておりました。
内心では、小学校までは特に預けたりせずにこのまま家でみてればいいと思っていたのですが、長女の口から「もっと女の子のお友達が欲しい」という欲求がついて出るように。(弟ではその欲求は満たされなかったようです)

同じタイミングで町からも「町に住む5歳児で保育園に来ていないのはHちゃん(長女)だけやき、来てみたらどうかね」というラブコールも。
そして、土佐町は年長さんから保育料が無料という嬉しいおまけもついているらしい。
これは預けるタイミングがきたな!という感じ。
 s_3-2.jpg
 私の幼稚園、保育園時代は、母が「原宿おひさまの会」という東京の代々木公園を遊び場の中心にした自主保育サークルに連れて行ってくれました。
外遊びが中心で、保育士さんではなく保育協力者(子どもと思いっきり遊んでくれる若い人)と保護者が、交代で当番に立って私たちを月~金で見守ってくれたのです。都会の公園ではありますが、今ほど整備されていなかった代々木公園は、どろんこになれる場所や、食べられる野草が生える場所、隠れ家を作れる枝や、プールになるほどたくさんの落ち葉、虫がたくさんいる腐葉土などがあり、子どもにとってはとても広く、ワクワクするような冒険の毎日だったと記憶しています。
そんな環境で育った私は正直なんとなく「園」というものに魅力を感じていませんでした。
でも、自分で自主保育サークルを立ち上げるほどの行動力も持ち合わせておらず、もやもやとした日々を送っていました。 
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 それでも土佐町の保育園には好印象を持っていて、裸足で園庭を駆け回ったり、お散歩が多かったり、運動会で竹馬や棒のぼりをサクサクこなす園児たちをみて感動しました。私と家で過ごすより、よっぽど健康的だとわかっていたし、特にじじばばが遠い我が家にとっては、家族以外の居場所作りの大切さも感じていました。
 
でも、一歩を踏み出す勇気がなかなか出なかったのは、何と言っても給食問題。
幼稚園時代はもちろん、小学校も中学校もお弁当持参で通った私ですが、(デコさんのように頑張れる自信も残念ながらないので)牛乳さえ飲まなければ、1食くらいみんなと食べる給食もいいじゃんと思っています。

が、それは小学校のはなし。
保育園の年齢だとまだ味覚も完全じゃないし、身体も小さなうちに食べる1食の占める割合は大きいですよね。
これはマクロビ云々ではなくてただの私個人の考えですが、小学生未満の子にあまり食べて欲しくない食材、でも一般的で給食には普通に入ってる食材についてをちょっとだけまとめてみます。
 
その1 お肉やお魚またはその加工品
うちの子どもたちもお肉は好きですが、食べさせてもいいなって思えるのは、いただきもののジビエや自家製飼料平飼いの鶏とかです。頻度としては月に数回食べれば十分。
遺伝子組み換え作物に、抗生物質やホルモン剤も投与されたお肉が、栄養素として必要だから、っていう考えが腑に落ちなくて。
一般的なハムやソーセージなどの加工肉は、ほとんどの商品に食品添加物が入るので、さらに我が家の食卓にのぼりません。
地元の川魚や近海の小魚だったらうちでも喜んで食べていますが、給食でありがちなちくわやツナは遠慮したい。
練り物に入っている食品添加物や、ツナなどの大型回遊魚に蓄積されている重金属をあまり食べてほしくないなって思っちゃう。
月に一回のお楽しみくらいの頻度になればいいのにな。
 
その2 牛乳はじめ乳製品と卵
友人が飼っている鶏の卵は喜んでもらうし、そのうち我が家でも飼いたいと思うほど子どもたちは卵好き。
たまーに食べるチーズやバターは、私も実は好きです。でも私は完全母乳で育ったし、今も子育て中なので考えちゃうんです。お母さんのおっぱいはもちろん、たまご(卵や赤ちゃんも)ってお母さんの食べたものでできてるんですよ。お肉と一緒で遺伝子組み換え作物に、抗生物質やホルモン剤も投与された牛のおっぱいや鶏の卵って安全なのかな? 安全だとしても毎日必要なのかな?
 
その3 使ってる油や小麦粉の質
焼いたり揚げたり炒めたり、うちでも油はよく使います。みなさんはどんな油使ってますか?
1リットル1000円もするような高価な油は(それでも安いと思うんだけど)、きっと給食では使ってないんじゃないかな。
だとしたら遺伝子組み換え原料の油だろうから、避けられるなら避けたいな。
小麦粉はポストハーベストやフードマイレージの観点から国産の小麦粉だったらいいのになって思うんだけど、そんな細かいことまで聞けないですね。
 
その4 外国産の果物
果物自体、うちでは週に一回しか食べさせていません。
でも、もし給食ででる果物が全部「地元の季節のフルーツをその時期に頂く」だけだったら食べさせてもいいなって思うんです。
でも実際は、フィリピン産バナナやニュージーランドから輸入されたキウイ、アメリカのオレンジが出ちゃう時があるんです。
頻度も多いと思います。小麦と同じで、ポストハーベストやフードマイレージのことを考えたら必要ないなって思っています。
 
 
その5 お砂糖
うちでは白砂糖はじめ、糖類(果糖を含む)をなるべく控えています。
粗製糖やメープルシロップを使ったおやつは、週一回のお楽しみにしています。つまり、調味料としての砂糖はほぼ使いません。たぶんおうちでマクロビを実践しているご家庭では普通だと思うんですが、そんな家庭は全国でも一握りなんでしょう。
「さしすせそ」が一般的ですね。きんぴらやおひたしの味付けから実は変えて欲しい、なーんて口が裂けても言えません。笑
 
ということで、給食の献立表を見ながら唸りました。悩みました。食事の概念が、ベースが違いすぎて何から話せばいいのか。
牛乳でカルシウムを摂ろうと思っている人にとっては『アレルギーでもないのに牛乳を「飲ませたくない」なんて意味がわからない』というのが容易にわかるのが辛かったです。
とりあえず、上記のような普段の食事内容と思いをお伝えさせていただきました。
もちろん、給食もおやつも手作りしていて、子どもたちのために気持ちを込めて作ってくださっている方々への敬意はたっぷり込めて。 
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 食物アレルギーの除去食ではなく、お弁当持参を許可した前例のない町で、教育委員会でも何度も協議を重ねてくださり、なんとお弁当での登園を認めていただくことができました。
お互い初めてのことなので、今後子どもたちの反応を見つつ、形を変えていくかも知れませんが、お弁当もおやつも持ち込みでオッケーを頂けました。
たくさんの児童の安全を確保するだけでも大変なことなのに、家庭の個人的な相談にもちゃんと向き合って「一緒に、楽しみながら、やりましょう」と言ってくれた園側の対応に、肩に力の入り過ぎていた母ちゃん父ちゃんは、感謝感激。
 
コミュニケーションがうまく噛み合わなければ、「モンスターペアレンツ」とレッテルを貼られがちな現代社会において、お互いを理解しようという気持ちがあれば一緒に未来を創っていけるんだと実感しました。そこには田舎も都会もありません。
 
園長先生はじめ、職員の方々、協議してくださった教育委員会の方々、相談に乗ってくれたママ友たち。本当にありがとうございます。
この場をお借りしてお礼申し上げます。
「子どもたちに元気に登園してほしい」という思いは、みんな一緒だと確信できたことは、この地域に根ざす上で本当に良い体験となりました。
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そんなこんなで迎えた入園式。感慨深かったです。
式自体はあっという間に終わったけど、さっそくおやつの時間とかあったしね。(ふかし芋を持参しましたよ)
ちなみに、長女は私の小さかった頃と同じでお弁当について特にまだ疑問に思っていないようです。「みんなはみんな、私は私」という感覚がちゃんと育っているようで嬉しい。
まだまだこれから山あり谷ありあるんだろうけど、悩みながら、右往左往しながら、私も子どもたちも大きくなっていくんだろうな。 
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お母さんの思い出といえばお弁当。
何かお弁当エピソードなんてありますか?

中島子嶺麻

中島子嶺麻

1984年中島デコの長女として生まれる。「おなかの中からマクロビオティック」で育った純マクロっ子。2007年から千葉房総にあるブラウンズフィールドで、日々の調理や イベント、経理などを担当。結婚後、3児をプライベート出産する。2013年高知県に引っ越 し、古民家を修復しながら農的生活をはじめる。2015年むかし暮らしの宿「笹のいえ」として体験型のお宿をスタート。得意料理は、旬の野菜の皮から根っこまでを余さず使うMOTTAINAI料理。著書に「きれいになる「ゆるマクロビ」玄米と野菜のワンプレートごはん」「朝つめるだけ 玄米と野菜の「ゆるマクロビ」弁当」家の光協会、「小さな子のマクロビオティックおやつ」パルコ出版。

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