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【中島デコ×小倉ヒラク対談#1】美肌の秘訣は、毎朝の味噌汁と「好き」を極めること
2016.11.18
ある晴れた日、千葉県いすみ市にある「ブラウンズフィールド」で、発酵デザイナー・小倉ヒラクさんが料理研究家の中島デコさんを訪ねました。ヒラクさんは、「大人すはだ」の運営元である「あきゅらいず」の創成期のメンバー。デコさんも5年ほど前に「あきゅらいず」の代表である南沢典子さんに出会い、以来お付き合いが続いています。
ふたりのつながりは、偶然にも、シンプルな暮らし方を目指す「あきゅらいず」にあったのですが、それだけではなく生きる上で大切にしているキーワードにも、共通点がたくさん。その一つが「発酵」です。久々の再会だというおふたりに、発酵食品に注目したい理由からスキンケア、さらには菌の世界から学ぶ、これからの人の生き方まで、たっぷり3回に分けて「大人すはだ」でお届けします。

小倉ヒラクさん(左)と中島デコさん(右)
対談者プロフィール
中島デコさん:料理研究家。16歳でマクロビオティックに出会い、25歳から本格的に学び始める。1999年に千葉県いすみ市に移住し、田畑つき古民家スペース「ブラウンズフィールド」を立ち上げる。「大人すはだ」では「うみ・そら・みどりを召し上がれ」を連載中。
小倉ヒラクさん:発酵デザイナー。プロダクトデザインやイベント企画なども行う。絵本&DVD「おうちでかんたん こうじづくり」作。「大人すはだ」連載中の五味洋子さんと洋子さんのお兄さんと3人で「発酵兄妹」として山梨のローカルラジオに出演中。
ストレスフリーになると肌がきれいになる
デコ この対談の前、ヒラクくんにこうじ作りワークショップをしてもらったの。その時に気づいたんだけど、ヒラクくんの手がすごくきれいなの、見て!
ヒラク 最近、すごい綺麗になってきた。

デコ 日本酒を作っている杜氏(とうじ)さんも、みんな肌ツヤッツヤだし。見とれるような美しさですよね。
ヒラク 発酵の世界に浸かっていると、本当に肌がきれいになりますよ。肌がきれいというのは、善玉菌と悪玉菌のバランスが取れているということなんだけど……。
デコ 科学的にも、発酵で肌がきれいになるって分かっているのね。
ヒラク うん。じゃあちょっと、「大人すはだ」読者向けに、発酵と美肌について一般的に考えられていることをお話しますね。
まず、皮膚の上にも菌の生態系があります。菌の街みたいなものです。ざっくり分けると、善玉菌と悪玉菌によって生態系が作られていて、善玉菌がちゃんと暮らしているお肌っていうのは、菌の街の治安がいい、つまり生態系がしっかりしているという証拠です。そういうお肌は脂質が適切に出ているのでツヤツヤしていて、潤いがあって、毛穴が塞がれていないので滑らかなんですね。
じゃあその菌の生態系を保つために、やってはいけないことは、洗いすぎないっていうことと、毛穴をふさぎすぎないということ、あとはストレスを溜めないこと、の3つです。(*1)
- (*1)参考:あきゅらいず美養品ページ

ヒラク それぞれなぜダメなのかを、イメージで解説すると……洗いすぎると、肌にあった生態系が一時的に一掃されちゃって、菌の街が無人になっちゃうんですね。そうすると、外敵である雑菌がはびこりやすくなる。
次に、毛穴を塞がないのがなぜ肌に良いかを説明します。肌の上に住む常在菌の餌は、毛穴から運ばれてきます。だから、餌が出てくる毛穴を塞いでしまうと、善玉菌たちは餓死しちゃう。そうするとまた外から来た雑菌が肌の上に住み着いてしまいます。
最後に、ストレスを溜めないことが、実はあなどれない理由。人間の毛から出てくる資質は2種類あります。このうち。イライラしたり不安だったりすると出る脂質が問題。その脂を好きな菌が、ニキビの原因になったりする。ストレスを溜めると変な脂が出て、肌が荒れる原因になることが最近の研究でわかってきています。
だから、洗いすぎない、毛穴を塞がない、ストレス溜めない。この3つに気をつければ常在菌を守れるから、肌がきれいになるんです。
デコ 善玉菌だけじゃなくて、悪玉菌もいるのよね。それを全滅させてはいけないの?
ヒラク 善玉菌だけにすると、またその生態系から悪玉菌が出てくるから、最終的には悪い菌はいなくならないんです。人間社会と一緒です。いい人もいれば、悪い人もいるっていう。
それから、悪玉菌と善玉菌の他に、日和見菌っていういい人でも悪い人でもない菌がいます。菌の割合が、善玉菌2、日和見菌7、悪玉菌1で暮らしている生態系がベストだと言われています。なぜ悪玉菌が必要かというと、体外から強い雑菌やウイルスが襲ってきた時に、善玉菌や日和見菌がやられてしまったら、悪玉菌はそれと戦ってくれるから。
デコ 悪玉菌が最後の砦みたいになることもあるということね。
ヒラク 悪いやつっていうのは、からだに極端な変化が起こった時に、菌が全滅しないようなブレーキの役割をするんです。
そういう生態系の中で善玉菌を育てるには、ストレスを溜めずに、善玉菌を味方につけられる食べ物をいっぱい食べるのがベストです。
デコ お味噌汁とか、納豆とか? それってまさに菌活だね。
ヒラク そう、日本の伝統的な発酵食品です。一番簡単なのは、毎朝一杯の味噌汁を飲むこと。応用編の食事でいうと、デコさんが作ってるような、雑穀米やお肉を使わないご飯を組み合わせる。これらを食べていればバッチリです。どれくらい効果があるかは、日本の伝統的な食文化が証明してくれています。良いものだからこそ続いてきたわけですから。
デコ 人間さ、ストレスのない生活を過ごしている人なんていないですよね。どうすれば、ストレスを溜めにくく、暮らしていけるんだろうね。
ヒラク 自分らしくいることが大事だと思いますね。世の中には「これは良い」と評価されたり、認められたりしているものが多すぎる。何が僕らにとっての良いものなのか分からずに放浪しているうちは、価値観が不安定だから、すんごいストレスが溜まるんです。だから、食事を手作りしたり、いろんな物を食べ比べしたりして、センスを磨く。そうすると、自分の「好き」が分かるようになる。
デコ 卵が先か鶏が先かじゃないですけど、菌活することによってセンスが上がる、センスが上がることによってストレスが溜まらない、みたいなことなのね。
ヒラク うん。発酵食品を食べて朗らかに生きてください、そうすれば美人になりますよ、ということです。

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「大人すはだ」編集部
大人がすはだで暮らす時間を提案するウェブマガジン「大人すはだ」の編集部です。
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