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コラム
アレルギーやアトピーのお子さんのいる方へ。肌荒れでゆううつな日々を変えてくれた一言
2015.05. 7
先日、カフェにいたときのことです。隣のテーブルに座っていたママさんたちが、幼稚園に通う子どもの話をしていました。聞こえてきたのは、アレルギーやアトピーをもつ子どもにどう接すれば良いのかという話題。

「小学校に上がったら給食はどうしようか」「掻いた痕は一生残るものなのだろうか」「かゆがるとき、どんな言葉を言えば良いのだろうか」。彼女たちは真剣に話していました。
その話を聞きながら、私は自身の幼少期を思い出していました。
外に出るのも億劫だった子ども時代
私は、0歳のときからアトピーの症状があり、アレルギーの検査では、たまご・小麦・牛乳など、いくつもの項目に高い陽性反応が出ました。そのとき私の両親は「一体何を食べさせればよいのだろうか」「この子の体は成長するのだろうか」と途方に暮れたそうです。

小学生のころは肌を見られるのが嫌で、まともに人と目も合わせられなかったり、誰かと会話をすることすら億劫なときもありました。
幼いときは、周りのひとと違う部分があると恥ずかしくなったり、引け目を感じたりして、できる限り隠したい、と思う子も少なくないのではないでしょうか。
たまご抜きの給食が教えてくれた、周りの人のあたたかさ
私の場合、給食の時間に給食室までたまご抜きのおかずを一人で受け取りに行く時間は、決して楽しいものではなく、いつも人目を避けて、足早に取りに行っていました。


けれど、そんな私を見ていた給食室の方は、時々おかずの器の横に「いつも取りにきてくれてありがとう。おいしく食べてね。」と書いたメモを一緒に置いてくれました。そのやさしさが嬉しくて、メモも一緒に受け取って教室に戻っていました。
プリンや牛乳ゼリーなど、たまごや乳製品が含まれているデザートがある日は、誰かに譲っていたのですが、アセロラゼリーや果物がデザートの日は、先生や友達が「プリンの代わり!」と言って私にくれたこともありました。
どんなに肌が荒れて、ゆううつな時があっても、塞ぎ込まずに過ごせたのは、家族や友達の理解があったから。『理解ある先生や友達に支えられてここまで過ごせたこと、忘れないようにしなきゃ』と思ったことを強く覚えています。
アレルギーやアトピーをもつ子どもに、してあげたいこと
『掻いちゃダメだ』と頭ではわかっていても、かゆいものは我慢できません。結果として肌が荒れると、強い自責の念と、自身のからだへの嫌悪感が生まれます。
そして、悲しむ両親の顔を見ることでさらに自分を追い詰め、からだは自然に萎縮します。辛さに共感してほしい、という気持ちを持ちつつも、お医者さんは怖いし、友達にもうまく気持ちを伝えられません。症状をうまく説明できないと、そのもどかしさに涙があふれることもありました。


そんなときに、家族の誰かが、ぎゅっと抱きしめてくれると、とても安心しました。
「今はちょっと我慢しようね、そうしたら綺麗なお肌が見えてくるから。」「大丈夫、一緒に頑張ろうね。」
ひとりじゃないよ、と伝えられるだけで、「乗り越えたい、乗り越えよう」という気持ちになるのです。私にとっては、その「気」というのが、いちばんの薬でした。
さいごに
現在、私は食物アレルギーもなく、花粉症や鼻炎などの症状もなく、元気に生活しています。
アレルギーを持つ子どもは、とても多いと言われています。また、大人になってもアトピーに悩まされている方も少なくありません。
子どものアレルギーやアトピーにも個人差があり、ひとりひとり症状は異なります。ここでご紹介したことは幼かったころの私の体験ですが、アレルギーやアトピーを持つ子どもの親御さんは、まずは一声「一緒にがんばろうね」と伝えてあげるだけでも、何か変わるかもしれません。
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中村円香
1992年、愛知県名古屋市生まれ。東京都在住。 野菜と果物をこよなく愛し、地域の伝統野菜に目がない。各国の菜食事情に興味があり、いつか世界菜食旅行をすることが夢。
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